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『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その21

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、ありがたいことにゴールデンウィークを前に買ったという声をいくつか聞けた。

あと達人出版会から出してよかったと思うのは、読む環境の選択肢があることについての言及があったときですね。

ゴールデンウィーク中に読んだ人の感想がそろそろ読めるかと期待したら、小関悠さんから感想をいただけた!

そうそう、今年3月の更新で電子書籍版にも収録された書き下ろし技術コラム「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」が新たに追加されており、これがかなり力の入った長文なので、以前にも書いているが、既に買った方でも最新版に更新してない人は達人出版会のマイページからアップデートをお願いします。

小関悠さんが「自分の発言が出てきてびっくりした」と書くのはまさにこの「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」のことだが、この追加コンテンツへの感想を読んだのは初めてかもしれない。「すごいまとめになってるので、定期的に書いて欲しいなあ」と書いていただけたのはありがたいことである。

あと小関さんが「八田先生ディス集」と書いているヤツだが、どう読んでも八田真行氏への賛辞じゃないですか!

そういうわけで、感想をいただけるとこのブログはしつこく更新されるので、ワタシのブログを読みたい人は、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の感想をブログやツイッターに書くとよいでしょう(笑)。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その20

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、そろそろ反応も出尽くしたかなという感がある。

こうしたツイート一つで元気百倍になってしまうのだが、それでもそろそろこの本の宣伝目的で更新を続けてきたこのブログもまた元に戻るときが近づいてきた。

思うところはこのツイートに始まるスレッドに書いた通りである。

既に購入済の人でも最新版であるバージョン1.1.1に更新していない人は、是非アップデートしていただきたい。誤記訂正だけなら大したものではないが、何しろかなり長い新作文書が最新版には含まれるので。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』URL一覧への追加(「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」)

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』について、文中に出てくるリンクを各章ごとにまとめたURL一覧を公開しているが、これにおよそ2年ぶりに書き下ろした技術コラムにして、最新版で電子書籍にも収録した「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」について「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」についても、文中で参照する URL を追加させてもらった(リストの一番下です)。

見ていただければ分かるが、参照する URL の数が80超というとんでもないものになっていて、端的に言って狂ってますね。実は一つだけリンク先が消失したツイートがあるのだが、ともかくこれを見るだけでもなかなか壮観である。

今からでも感想を書いてくれる方がいれば、喜んでこのブログで取り上げるつもりだが、この本についてワタシができる仕事はこれでほぼ終わったと思います。

ティム・バーナーズ=リーのウェブ誕生30周年記念文章を訳した

Technical Knockout30 years on, what’s next #ForTheWeb? 日本語訳を追加。Tim Berners-Lee の文章の日本語訳です。

今回の文章は原題にハッシュタグを含むのもあり、それを無理に日本語にしてヘンになっても困るので、横着して原題そのままとした。

正直、わざわざ訳すほどの文章かという気もするが、やはりウェブの発明者、ご本尊の言葉は重いし、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の著者として無視することはできなかった。

まぁ、今年は30周年とキリが良いのもあっていろんなニュースサイトでこの文章の部分的な解説はなされているので、もはや大方意味のない翻訳なのだけど、28周年29周年の文章も訳しているので、今年まで一応やろうと思った次第である。つまり、来年以降はしません。

ウェブ誕生30周年記念ということで、ティム・バーナーズ=リーの本も復刻しないかなとひそかに期待していたのだが、そういう話はまったく聞かないのは残念な話である。

Webの創成 ― World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか

Webの創成 ― World Wide Webはいかにして生まれどこに向かうのか

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その19

この間(おそらく)最終版を公開した『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、以前にも感想をいただいている Spiegel さんが、またブログエントリを書いてくださっている

なるほど、今からこの電子書籍を買われる方は、最新の文章である付録「インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」を最初の読むのがよいのかもしれませんな。自分は書いた側なので読むのもすぐだけど、全50章を乗り越えないと新作が読めないと思うのは窮屈だ。

それにしても、この電子書籍自体、随分と「成長」したような気になってしまう。

国家や市場がインターネットに「情報(力)の搾取手段」あるいは「コンテンツ・デリバリ装置」としての価値しか認めず個人のプライバシーや自由になど鼻くそほどの価値も認めていないのであれば,私達はもはや中央集権システムとしてのインターネットから出ていくしかない。 あっ,これってヒッピーの発想か(笑)

『続・情報共有の未来』は付録から読むのがオススメ — しっぽのさきっちょ | text.Baldanders.info

これは、ちょうど八田真行が「インターネットからスプリンターネットへ」で書いていることに符合するように思う。

一方で私自身は、インターネットが一般大衆のものになった今、細かく管理され、人畜無害で漂白されたものになっていくのは残念だが仕方がないとも思っている。いずれにせよ今後インターネットは、可愛い猫の写真ばかりの安心・安全で無意味なものになっていくのだろう。だとすれば、我々は情報の自由を求めてまたフロンティアを開拓するしかない。

インターネットからスプリンターネットへ(八田真行) - 個人 - Yahoo!ニュース

インターネットから「脱出」する日がワタシにも来るのだろうか……。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の(おそらく)最終版を公開

達人出版会において『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のバージョン1.1.1が公開。サポートページにも反映。

電子書籍版のバージョンアップは久しぶりである。おそらくは、今回の更新が最後、つまりバージョン1.1.1が最終版になると思う。

このブログの読者であっても、この電子書籍がどんな性質のものか知らない人も実は多いのかもしれないので、この場を借りて説明しておく。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』は、基本的には2013年7月から2016年11月まで WirelessWire News において連載したブログを電子書籍化したものである。それが本編となる第1章~第50章である。もちろん電子書籍化にあたって誤記の訂正や内容の追加修正を行っており、各章の最後には2017年時点でのフォローアップを付記している。これが結構な長さになった章もあるし、読む人が読むと驚く裏話を書いていたりもする。

そして今回のバージョンアップで追加されたのが、「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」である。これは2018年10月8日に開催された「技術書典5」にて販売した特別版に収録された文章である。

これが本編の50章のどれよりも長かったりする。要は連載終了からおよそ2年ぶりにワタシが書いた、とても気合いが入った技術コラムであり、WirelessWire News 連載終了後の空白を埋めるものになっている。今回電子書籍に収録したのは、基本的にそのときの文章だが、邦訳書が出た本のリンクをそちらに差し替えたり、ほんの少しだけ記述を追加したりしている(達人出版会の高橋さん、無理を言って申し訳ありませんでした)。

そして、本編の EPUB、もしくは PDF ファイルとは別ファイル(縦書き EPUB)で提供されるのが、ボーナストラックの「ザ・グッドバイ・ルック」である。

これは400字詰め原稿用紙150枚を超える文章である。事情があって、電子書籍公開時にはワタシも神経質になっており、この文章の内容にはまったく触れなかったし、「ボーナストラックのエッセイ」とだけ書き、そのタイトルすら書かないようにしていた。

インターミッションを入れるなどして、この文章を「エッセイ」と言い張る素地を作ったのは意図的に行ったことだが、この文章に書いたことでひどい目にあっていることもあり、もう認めてもよいだろう。ワタシが自分自身について書く文章をある時期から公開の場に書かなくなったことを鑑みると非常に稀なものであり、一種の私小説なのを認めることにやぶさかではない。

それでは、電子書籍『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』をどうかよろしくお願いします。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その18

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、実はずっと待っていた(笑)Spiegel さんから感想をいただいた。

個人的にはこの本についてもっとブログに書かれた感想や書評を読みたい! とずっと思っているのだけど、「50章は(長いとか多いとかじゃなくて)デカい! 読み終わった直後はクラクラしたですよ(笑)」と言われると、確かに分量はあるよねぇ、と今さらながら思ってしまう。

Wired Vision 連載を電子書籍化した『情報共有の未来』のときは連載から落とした文章がいくつかあったはずだが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』では WirelessWire 連載から落ちた文章は一本だけだからね(それが落とされたのは質的な問題ではなく、YouTube 動画へのリンクを多用する、電子書籍向けでないのが理由)。

なお,ボーナストラックの感想は書かない(多分)。 こちらは一言「泣ける!」とだけ記しておこう。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を読む(ボーナストラック以外) — しっぽのさきっちょ | text.Baldanders.info

以前、ボーナストラックについて「テリー・レノックスの側から書いた『長いお別れ』」というアイデア、という言葉で表現したことがあり、それはこの文章の語り手の "Deacon Blues" 性について言ったものである。が、今にして思えばただそれだけではなく、「エモい文章」と言われるものにはとにかくしたくないという気持ちがあり、外的焦点化のパースペクティブを選択したという意味もあった。それを「泣ける!」と言われるのは、書き手としては不思議であるし、面白くもある。

書籍として『続・情報共有の未来』を読み通して最初に感じたのは「私ってインターネットを信用していないんだなぁ」ということだった。

私から見て初期インターネットの背景にはヒッピー文化があると思うが,結果としてその文化は市場経済に塗りつぶされた。 でも初期インターネットを夢想する「老害」たちは当時の「黄金時代」を忘れられず,かといって「ネットのテレビ化」も止められないという状況に陥っている。

これがこの本を読んで感じたインターネットに対する印象だ。 もしインターネットが「幼年期」を抜けて generativity に象徴される「成年期」に向かおうというのなら「開かれたウェブ」が「もうすぐ絶滅する」というのは,ひょっとしたら(痛みは伴うとしても)歓迎すべき事態なのかも知れない。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を読む(ボーナストラック以外) — しっぽのさきっちょ | text.Baldanders.info

「初期インターネットを夢想する「老害」たちは当時の「黄金時代」を忘れられず,かといって「ネットのテレビ化」も止められないという状況」とは、ズバリと言われたものだなぁ(笑)。

さて、C++ などの著書でも知られる矢吹太朗さんには、大江健三郎やエミール=オーギュスト・シャルティエの本と並び(!)2018年の5冊に選んでいただいた。

矢吹太朗さんに国会図書館への納本を勧められ、調べてみるとワタシの本でも可能そうなので、特別版(紙版)を国会図書館に送ろうと思う。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その17

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、以前にも感想を取り上げた @cetacea さんが改めてボーナストラックについて書かれているので取り上げさせてもらう。

これは著者として喜ぶべきかどうかという問題はある。ワタシ自身この文章を書いたことで本当にひどい目にあったというのもあるのだが、それはともかくウェブ連載を大方読んだ人にも、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を買う理由を与えているとポジティブに考えたい。のだが、実際にはだから売れている、ということはまったくなさげなのが実情である。

あと個人的には、前著『情報共有の未来』も併せて購入してくださった方がいたのはすごく嬉しかった。

ここまで自分の文章を誉めてもらえると、最近ひたすら落ち込むことばかりだったので、ただただありがたく思う。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その16

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版がSTORES.jpで人気アイテム入りしている話は10月末に取り上げているが、本文執筆時点で未だに人気アイテムのトップなようで、本当に売れているのだろうか。

正直いぶかしく思うが、実際特別版を購入されている方はいるようで、ありがたいことである。

さて、個人的に驚き、嬉しく思ったのは武藤健志さんが『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を読まれているのを知ったことだ。

それこそ武藤健志さんのウェブ日記を下手すれば20年近く前(当時はトップスタジオのサーバー上で公開されていたっけ)から読んでいたのである。正直、自分とはレベルが違う世界の人だとずっと思っていたので、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を読んでくださっているのを知っただけで感無量、と書くと大げさだが、それに近い感覚がある。

KeN's GNU/Linux Diary にもちょろっと書名が出てくる。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版がSTORES.jpで人気アイテム入り

わざわざ更新するほどのことでもないのだが、高橋さんのツイートを見て驚いた。

マジかよ、と思ったら本当だった。

だからどうしたという話ではあるのだが、自分の作品がこういう人気アイテムのトップにくることなど最初で最後だろうから、少し自慢させてください。

瞬間風速だということは分かっているが、何より『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版を購入いただいた方に感謝します。

それでは電子書籍版『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のほうもよろしくお願いします。

そうそう、上でリンクしたサポートページに特別版の情報を追加させてもらった。

技術書典5で販売した『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版の取り扱いをBooth.pmでも開始

技術書典5において、達人出版会ブースで販売した『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の特別版について、Booth.pm の達人出版会BOOTH支店でも取り扱いを開始した。

経緯については23日に書いた通りである。こちらのほうが達人出版会STORES支店より安そうだが、それは送料別のためらしく、結果的には STORES.jp のほうが安くなるらしい。ユーザの利用環境で都合がよいほうを選んでいただけると幸いである。

技術書典5で販売された『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版の販売をSTORES.jpで開始

技術書典5において、達人出版会ブース『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の特別版を販売した件については既にお伝えしている(その1その2)。

その特別版だが、STORES.jp の達人出版会STORES支店で取り扱いを開始したので、ここでも告知させてもらう。高橋さんによると、達人出版会STORES支店はもう少し修正が加わる見込みとのこと。

まぁ、このように紙書籍版の販売をできるということは、つまりは、技術書典5において完売しなかったということでもある。そうした意味で、高橋さんに大変申し訳ないので、紙版を手元に欲しい方で技術書典に参加できなかった方は、これを機会に買ってもらえると大変ありがたいです。

実は、既に Booth.pm での販売を準備していて、一週間前からそれに合わせてブログを更新できるようにしていたのだが、いつまで経っても準備中のままなので、カッとなって(?)STORES.jp での取り扱いを始めたとのこと。Booth.pm での取り扱いを開始したら、またこちらでも告知させてもらう。

「技術書典5」で販売される『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版に収録される書き下ろし技術コラム「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」について

10月8日に開催される技術書オンリーイベント「技術書典5」において、達人出版会ブースにて、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の特別版を販売すること、そしてそれに新作技術コラム「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」を収録することは昨日書いた

その「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」だが、このケッタイなタイトルは、映画『裏切りのサーカス』の原作であるジョン・ル・カレ『ティンカー、テイラー、ソルジャー、スパイ』のもじりである……って、どこがや!

なかなかタイトルが決まらず難儀し、高橋征義さんが「プラットフォーマー・政府・ネット原住民 地球最大の決戦」というタイトルを提案したのはここだけのヒミツである。

さて、今回の文章を書くきっかけとなったのは、今年の8月に某社の編集者より『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を基にした書籍の執筆について打診されたことだったりする。

正直、ワタシはそのプランに懐疑的だったのだが、編集者とやりとりをするうちにワタシも徐々に乗り気になり、だったらこの2年間のフォローアップとなる新作文章を書かなければならないな、と実に2年ぶりに技術コラムを書く気になったのである。

昨年『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の電子書籍化の作業をしながら、そうした文章を書く気にはまったくなれなくて、書いたのはボーナストラック「グッドバイ・ルック」だけだった。

それはともかく、ワタシが久方ぶりにやる気になったのに、その直後からくだんの編集者からのメールがぱったりなくなった。まぁ、正直企画会議を通るとは思わなかったので別にいいのだけど、ダメならダメでその旨をメールで伝えるくらいしてもいいのではないか。

この編集者が属する出版社については、武士の情けで名前は特に秘すが、翔泳社である。

さて、せっかく2年ぶりに技術コラムを書く気になっていたのに、それを発表する場がなくなって困っていたところ、達人出版会高橋征義さんから声をかけていただき、「技術書典5」で販売される特別版に収録することになったという次第である。

しかし、高橋さんもこんな常軌を逸した長さの文章を送りつけられるとは思ってなかったのではないか。一年前に原稿用紙換算で150枚超の「グッドバイ・ルック」をいきなり送りつけられたときほどではないにしろ、ため息の一つでもつかせてしまったかもしれない。

それくらい長くなったのは、何よりこの2年間を埋めるためというのが一番で、とにかく書きたい話はすべて詰め込んだ結果である……のだけど、それでも書き残した話に後になって気付くのだから困ったものである。

一つは「監視資本主義(surveillance capitalism)」というタームについて入れるつもりだったのに入れ損ねた。この言葉については以前にも触れたことがあるが、この言葉の発明者であるハーバードビジネススクールの元教授 Shoshana Zuboff のこの言葉を書名にした本が出ることについて触れるべきだった。

The Age of Surveillance Capitalism: The Fight for a Human Future at the New Frontier of Power

The Age of Surveillance Capitalism: The Fight for a Human Future at the New Frontier of Power

もう一つは GDPR について、ニコラス・カーの「EUGDPRGoogleFacebook に縛りたいのだろうが、これに本格的に対応する人的リソースを持つ GoogleFacebook の監視資本主義の強化にしかつながらないだろうよ。残念!」という見立てを入れ込むのを忘れていた。

あと、この文章は冒頭で知的財産戦略本部の検討会議について書いているが、中間とりまとめができず延長になったのはご存知の通りだが、それより前に脱稿したので、話がその前までとなっている。またそれと関連して、中国のようなネット監視についても触れているが、Googleエリック・シュミット元 CEO が「今後は中国とそれ以外の2つのインターネットが存在するようになる」と語った話も入れきれなかった。

あと decentralized なウェブを目指す動きとして、ちょうどティム・バーナーズ=リーが手がける Solid がニュースになっているが、これも前から知っていたのに入れきれなかった。

それでもとにかく長い文章になってしまったのだけど、「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」で書いたことと似たことを、ワタシと同い年の中川淳一郎さんが「ブログやSNSは“ネットの空気”をどう変えたのか? 平成最後の夏、「ネット老人会」中川淳一郎が振り返る」で書いている(実は先月、とある追悼会で中川さんをお見かけしているが、ワタシのことなんか知らんだろうな、と弱気になってしまい声をかけられなかった)。

そうなのだ、本稿冒頭で「インターネット老人会」と述べたが、ネットを特別視すること自体がオッサン・オバサンの表れなのかもしれない。若者はもはやインターネットもリアルも同じものと捉え、水道や電気、ガスと同様の扱いをしもはやネットに夢は求めていない。

ブログやSNSは“ネットの空気”をどう変えたのか? 平成最後の夏、「ネット老人会」中川淳一郎が振り返る (3/3) - ねとらぼ

それでは「技術書典5」にお越しの方は、どうか達人出版会ブースで『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版をよろしくお願いします。

10月8日に開催される「技術書典5」にて書き下ろし技術コラムを含む『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版を販売します

一週間後の10月8日に開催される技術書オンリーイベント「技術書典5」において、達人出版会ブースにて、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の特別版を販売する。

特別版とはどういうことかというと、現在販売中の『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』と以下の点が異なる。

  1. 今回新たに書き下ろした技術コラムの新作「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」を含む
  2. 『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のエッセンスというべき章を選別した編集版
  3. 電子版に加え、紙の書籍のセットで販売

あとまだ現行版に入っていない誤記の修正も入っているはずだが、これはいずれ現行版にも反映されるだろう。ただ、少なくとも3の「電子版に加え、紙の書籍のセットで販売」というのは、このイベントオンリーになるのではないか。

なお、2の「章を選別」というのにボリューム不足を心配する向きがあるかもしれないが、それはない。なぜかというと。今回書き下ろした新作「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」が、例によってリンクをはりまくる文章であり、リンク先となる章をすべて収録し、これもあれも付け加えていたら、8割以上の章が入ってしまったと高橋征義さんがぼやいていたからである(笑)。

さて、その「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」は、ワタシがおよそ2年ぶりに書く技術コラムの新作である。はっきりいって、常軌を逸した長さである。『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録されたどの文章よりも長い。連載時は前編後編に分けた最終回「ネットにしか居場所がないということ」よりも長い、と書けばどれくらいの分量か分かってもらえるだろうか。

なぜそんな狂った長さになったのか、どういう文章なのかといった話は、明日の更新で書かせてもらう。

そういうわけで、「技術書典5」にお越しの方は、どうか達人出版会ブースで『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版を気にかけてくださるとありがたいです。このイベントや会場アクセスについては、mochikoAsTech さんの「技術書典5っていつ?どこでやるの?何時にいけばいいの?混むの?」が参考になります。

はてなについて今思うこと(は特にない)

微塵の愛情もなかったし、未練もなかったが、捨てるだけの張合いもなかった。

坂口安吾「白痴」

以前から、ワタシがはてなについて何か批判的なことを書くと、はてなブックマークで「愛のある批判」といったぶくまコメントがつくのが少し不思議だった。

その人がそう感じるのなら、それに文句をつけることもないと思っていたが、やはり当人が思うところと距離があるのも問題かもしれない。かつてはともかく、今はてな並びにそのサービスに対して愛はない。そして、それは別に今始まった話ではない。

『情報共有の未来』の中で100箇所以上出てくる「はてな」という単語が、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』では1箇所たりとも出てこないのは、つまりはそういうことである。

5年ほど前、当時はてなの社員だった方に、話をしにはてなに遊びに来ませんかと雑談の中で打診されたことがあるが、「御社とは距離を置きたいので」とお断りした。その方もそうだが、ワタシがお会いしたことのある社員の人も大方既にはてなを離れており、今も残るのは大西さんなどごくわずかで、個人的なつながりはとっくにないに等しい(モーリさんは、はてなに入られるずっと前から知っているので別枠)。

あとこの会社の創業者に対しても、角川インターネット講座への寄稿をめぐる不愉快な経験により、個人的な信頼は失われている。それだってもう三年前の話だ。その経緯については、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録した「ラストスタンド」の章のあとがきに書かせてもらった。

だから、もうとっくに義理も期待もない。ワタシがはてなについて筆誅に類することを書いたとしても、「愛のある批判」といったフォローは必要ないし、はてなの側も遠慮なく対抗措置をとってくれてかまわない。

今は、はてなダイアリーからはてなブログへの移転が成功裡に済むことを願うばかりである。それが済めば、はてなのサービスにコメントすることも特になくなるのではないか。

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