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『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その46

一年以上ぶりにやりますよ、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』反応エントリ!

WirelessWire News 連載が復活し、もう『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のことはいいかとも思ったのだが、恐ろしく久しぶりにエゴサーチをして Kobori Akira さんがこの本の名前を出してくださっているのに今さら気づいたので取り上げさせてください。

別別ジャンだけどもうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来もめちゃくちゃ気になる。数年ぶりに本を買い込む時期が訪れたのかも。

アジャイル収納 | koboriakira.com

これが7月末のエントリなので、その後購入されてくださっていたら嬉しいのだが。

さて、ひと月前くらいには Twitter でも @LineReading さんに反応いただいていた。

検索でワタシのブログにいきつき、ワタシの存在を思い出してくださり、Kindle 版を購入いただいたようだ。ありがたいことである。やはりブログは書いておくものだ。

そうそう、Kindle 版にはボーナストラックのエッセイ「グッドバイ・ルック」が含まれていないので、Kindle 版の読者の方はメールをいただければ送ります。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を技術書典やAmazonで買われた方に改めてお知らせ

久方ぶりに『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の話題だが、しかし、このブログの存在意義は飽くまでこの本の宣伝なのである。

少し前に以下のようなツイートを見かけた。

技術書典で販売された紙版の特別版を買われた方で、「追加のエッセイ」とは、ボーナストラック「グッドバイ・ルック」のことに違いない。

これを入手するには、確かに達人出版会から電子書籍版を購入してもよいのだが、これは以前にも書いた……けどそれからもだいぶ経つので改めて書いておくと、Kindle 版や紙版を購入された方で、ボーナストラックのエッセイ「グッドバイ・ルック」を読みたい方は、購入されたものの写真かキャプチャ画像をメールでワタシに送ってくれたら、無償で「グッドバイ・ルック」のファイルを送付させていただきます!

これも以前に書いているが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』は紙版と電子書籍版で複数のバージョンが存在するので、収録章数、ボーナストラック「グッドバイ・ルック」、2018年秋に執筆した付録「インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」の収録一見表を再度はっておきます。

バージョン 媒体 収録章数 ボーナストラック 付録 価格(税込)
達人出版会本家版 電書 50 770円
Kindle 電書 50 × 770円
技術書典5特別版 42 × 1000円

発売開始から何年も経った『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』において、文章の性質上セールスポテンシャルを落としていないのが件のボーナストラックのエッセイ「グッドバイ・ルック」で、これについての小関悠さんの評を再度はっておく。

小関悠さんが引用しているワタシのツイートにも書いているが、尋常でないネタバレ要素というか驚きのある文章で、「グッドバイ・ルック」単体を note に公開するなり、Gumroad を利用するなりして数百円課金してもよいのだけど、というかそれを勧めてくれる人もいたのだけど、いくつか理由があってそれをやるつもりはない。

ただ、せっかく紙版や Kindle 版で『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』を買ってくれた方も「グッドバイ・ルック」を読む権利があると思うわけです(実際、これまで何人もの申し出を受けており、そのたびにファイルを送付している)。

もちろん、まだまだこの本の感想を待ってますよ!

イーサン・ザッカーマンの「ソーシャルメディア図鑑:まえがき」を訳した

Technical Knockoutソーシャルメディア図鑑:まえがきを追加。Ethan Zuckerman の文章の日本語訳です。

knightcolumbia.org

このページに埋め込まれている PDF ファイルの Foreword を訳した。これ全体は Chand Rajendra-Nicolucci と Ethan Zuckerman の共著だが、Foreword 部分はイーサン・ザッカーマン単独のクレジットなのでそれに従っている。

このページはコロンビア大学の Knight First Amendment Institute のサイト上にあり、やはりイーサン・ザッカーマンが主導し今年の5月に開催されたインターネットの今後の十年を想像する仮想カンファレンス Reimagine the Internet に関連する形で書かれたものである。

リンク先を見れば分かるが、このカンファレンスの動画も YouTube 上ですべて公開されており、イーサン・ザッカーマン以外にもコリイ・ドクトロウや(ウィキメディア財団の CEO だった)キャサリン・マーといった本ブログになじみのある人も参加している。

さて、なんでこの文章を訳そうと思ったのか。理由はいくつかあり、まずは何よりこれがイーサン・ザッカーマンの手によるものだから。

wirelesswire.jp

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録された連載の初期で彼の本を取り上げているのだが、結局邦訳は出ず、彼の仕事があまり日本で紹介されないのを残念に思っていたことがある。

近年では、彼の名前は伊藤穣一が MIT メディアラボ所長辞職にいたったジェフリー・エプスタインからの献金問題に関連して、最初に伊藤穣一に抗議して MIT メディアラボを辞職した気骨ある人物として名前が挙がったりした。

www.afpbb.com

そして、もうひとつは個人的な事情である。

wirelesswire.jp

この文章にも書いたが、ワタシは角川インターネット講座5 ネットコミュニティの設計と力 つながる私たちの時代の第1章「ソーシャルメディアの発生と進化」を担当している。

本文執筆時点で Kindle 版が紙版の4割以下の値段になっているので、気になる方は買っちゃいましょう!

この本については、率直に言って不愉快な思いをさせられた。それは『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録した上記「ラストスタンド」の追記部分に書かせてもらったが(電子書籍の感想で、このボロカスに書いた追記部分を誰もとりあげないのが不思議なのだが、みんな優しいんだね)、少なくともワタシは死力を尽くしてソーシャルメディアについて書いたつもりである。

しかし、それから時は流れ、イーサン・ザッカーマンの文章にも引き合いに出される監視資本主義ではないが、とにかく Facebook をはじめとしてソーシャルメディアが素直に良いものと見られることは今では少ない。Facebook は Instagram が10代に悪影響を及ぼすことを把握していながら子供向けアプリ立ち上げを計画なんて記事を見ても、もはや誰も驚かない。

Facebook が社会の害悪なのはその通りとして、ソーシャルメディアにはもっと違った形もありうるのではないか? とは思っていたことで、イーサン・ザッカーマンの今回の仕事は、そのあたりのヒントになると思ったわけである。

それで「まえがき」部分を試しに訳してみたのだが、あともう1章くらいは訳すかもしれない。が、もはやワタシにかつての馬力はなく、このフィールドガイド全体を訳すことは無理っしょ。誰かこれを見て、我こそはと思う人が訳してくれないかなと思うからというのがある。CC BY 4.0 ライセンスなので、自由に公開できるよ。

それはそうと、角川インターネット講座に寄稿した「ソーシャルメディアの発生と進化」だけど、もう note とかに公開してもいいのかな?

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その45

このブログの読者でも、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の宣伝エントリはもうたくさん、と思われているかもしれないが、この電子書籍の宣伝こそがこのブログの存在意義なのでねぇ。

というわけで、先週末からの巷の話題を完全スルーして自著の宣伝に勤しむことにするが、河村書店に取り上げられるだけで嬉しかったですね。

このツイートで取り上げられているのは Kindle 版ですね。

この電子書籍の複数のバージョンの相違については過去エントリを参照ください。

その意思表示だけで嬉しいです! 今年のお盆の読書にいかがでしょうか。

もちろん買っていただいたほうがずっと嬉しいのは言うまでもないわけで。

もし読まれたら、感想もよろしくお願いします!

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その44

前回からひと月以上間が空いてしまったが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の宣伝というのがこのブログの存在意義なので、反応がある限りしつこく続けさせてもらいます!

まずは前回紹介した小関悠さんの「フレンチのコース料理に最後デザートがつきますって言うから、楽しみだなーと思ってたら北京ダックが丸ごとやってきたみたいな感じ」という反応への反応から。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』については、「円城塔が推し、ブレイディみかこを泣かせても売れない不遇の電子書籍」というお名前を出した方に失礼極まりない非公式キャッチコピーがあるが、「フレンチのコース料理に最後デザートが来ると思ったら北京ダックが丸ごとやってくる電子書籍」というのもいいかもしれない(逆効果?)。

そういえば、この本に解説を書いてくださった arton さんも以下のように書かれている。

それはそれとして、ボーナストラックに余情があるといえば、「もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて: 続・情報共有の未来」だな。

L'eclat des jours(2021-03-28)

よし、「フレンチのコース料理に最後デザートが来ると思ったら余情がある北京ダックが丸ごとやってくる電子書籍」にしようか(やめなさい)。

続いては少し考え込んでしまう反応である。

これは推測であるが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』は、「読みたい」から「買いたい」にいたる導線があまりよろしくないと言われているのかもしれない。

以前、どこまで読んだか把握しやすいよう(達人出版会からの購入するのに加えて)Kindle版も買った方の話を紹介したことがあるが、買うまでの導線もそうだが、買ってからのユーザビリティAmazon は強いのは間違いないわけだ。Amazon を超えるのは難しい。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その43

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、考えてみればこれってはある種の「秘密」がある本だよね、と今更思い当たってツイートしたところ、既に感想をいただいている方々からコメントをいただいた。ありがたいことである。

フレンチのコース料理の後に北京ダックが丸ごと!(笑)

ここまでやればお得感を感じてくれる、と思ったところが著者の貧乏人根性なのかもしれない。

そうなんですよ、なにより「開かれたウェブ」という本題についての濃厚な本なのです。

さて、以下のようなコメントもいただいている。

ありがたいことである。ただ実際には特別版という名の物理本も売っていたりするのだが、言いたいことはよく分かります。本家電書版、Kindle 版、特別版の内容の違いについては、過去エントリの表を参照いただきたい。

そうそう、Kindle 版についても感想コメントをいただいている。

この本単体で閉じるのではなく、読者の興味に応じてそこからの広がりがある本を目指しており、いくつものトピックでそれに足るトスをあげていると思うので、こういう感想は嬉しい。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その42

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、言及を Twitter で見かけて嬉しくなったので紹介させてもらう。

なるほどねぇ、もはや「レトロフューチャー」の域に達しているという見方もあるわけか。

「インターネットの自由という夢」に幻想持っている人はもはや少ないだろうが、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の追加コンテンツ「付録A インターネット、プラットフォーマー、政府、ネット原住民」では、その現状を踏まえた上でそれに抗する論を取り上げており、その一つにティム・ウーの(当時の)新刊の内容を取り入れているのだが、ここで彼の名前を挙げた理由は次のエントリを読んでください(笑)。

www.amazon.com

さて、これは『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応ではないのだが、エゴサーチをしていて、Kindle 版が Amazon.com 本家をはじめ、日本以外の Amazon 各国版で普通に買えるのに気づいた。

考えてみれば不思議ではないのだけど、いや、やはりちょっと不思議な感じ。レビューの数が日本版よりも1個少ないのはどういう理屈だろう。

それはともかく、『This is Not the End of the Open Web』という英語題は著者の意図を反映したもの、というか正確に書けばこのタイトルの元ネタを踏まえたものだったりする。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その41

しつこく『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、なにせこの電子書籍の宣伝のためにブログやってるものでねぇ。

先日、子供のように駄々をこねたところ、いくつかリプライをいただいた。

こちらこそありがたいことである。

yamdas.hatenablog.com

さて、今そのときのブログエントリを見直すと、解説を書いてくださった arton さんの反応を読んで、今更ながら受けてしまった。

解説執筆者がフルパッケージの本を読んで驚きを隠さない本なんてなかなかないわけで、そうした意味で『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』はかなりヘンな本と言えるわけだ。

また、以下のコメントもいただいた。

技術書典5などで販売された特別版を購入されて積読したままの方も結構おられると思うが、まだステイホーム期間は続くので、時間ができたら読んでやってください。そして、ツイッターでもブログでも感想をちょろっと書いていただけるとなお嬉しいです。

そういえば、以前に小関悠さんも書いていた追加コンテンツ執筆、昨年やりかけたが果たせなかったことを書いているが、宣伝を続けるならそれをやらないといけないのかもという気持ちはあるんだよな。高橋さんにまた労力を割かせるのは心苦しいが。

ここでも以前反応を紹介した方なので「某氏」と名前を隠す必要もないのだけど、これには本当に恐縮してしまった。このツイートにも書いているように、ボーナストラックのエッセイ「グッドバイ・ルック」は Kindle 版、特別版(紙版)では読むことができないので、そちらを読みたい方は、購入されたものの写真かキャプチャ画像をメールで送ってくれたらファイルを送付します(以前書いたが、これまで3名の方にお送りしている)。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その40

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、なんともいえないコンテンツの中で名前を見つけてしまったので紹介したい。

prisonerschronicle.net

Google 以外の検索サイトでエゴサーチしていて見つけたウェブページだが、見れば分かるようにここでは『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の名前が出てくるだけで、別に書評をいただいたわけではない。それならなんでとりあげるのか。それは、このウェブページの出自が独特だからだ。

このページ、エントリのタイトルに「2018年4月15日」とあるのに、実際にウェブに公開されたのは2020年11月20日で、2年半以上の差異がある。それは以下の事情による。

このサイトはとある詐欺事件がきっかけでPFIの刑務所である播磨社会復帰促進センターに2018年1月から2020年8月まで服役していた男が、獄中で毎日欠かさず書いていた日記をブログ形式で公開するサイトです。

プロフィール │ Prisoner's Chronicle

つまり、「2018年4月15日」の記述は、このブログ主が服役していたときのものなのである。これにはかなり驚いた。

このブログ「刑務所で過ごした1000日の記録│Prisoner's Chronicle」の更新はまだ継続されているのだろうか。『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』がこの方の更生に何かしらお役に立てるかは分からないが、その一助になればと著者として望みます。

さて、それはそうと、旧版を購入済だが最新版を入手されていない方は、今からでも更新されることをお勧めします。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その39

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、反応がある限りその宣伝目的であるこのブログは続くわけである。

www.nejimakiblog.com

ねじまきさんには Kindle 版を購入いただいている。

「Tech系の話題が好きな方は必読の一冊」とのことで、東浩紀さんやケン・リュウピーター・バラカンの本と並んでワタシの本を「2020年に心揺さぶられたKindle電子書籍10選」に入れてくださったのはとてもありがたいことである。

ねじまきブログは、
テック系の話が好きな読者の方、リスナーの方が多い気がするので、
またブログかポッドキャストで振り返ってみたいと思います。

とのことで、また気が向いたら紹介いただけるとありがたいです! そうしたら、もちろんこちらでも取り上げるだろうし(笑)。

昨年末に勢いで電子書籍を買ってしまった人の感想も気長に待ちます(笑)。

それでは2021年もよろしくお願いします。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その38

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、Amazon 版にまた新しいカスタマレビューが追加されていた。

今回も5つ星でありがたいのだが、Amazon Customer という名前で自作自演を疑われそう(笑)。さすがのワタシもそれをやるまでは落ちぶれてませんので、誤解なきよう。

[追記]:このカスタマレビューの執筆者が名乗り出てくださった。あなただったか!

2020年の今から見れば、2013年というのはインターネットの時間感覚で言えば大昔ということになりますが、内容にほとんど違和感はありません。むしろテクノロジーによる格差拡大、プライバシー、人工知能アルゴリズムに選択を委ねること、巨大企業のインターネット支配と、それらに対する政治や法整備の遅れなど、本書で問題視されている多くのことが今日ますます顕在化していると言えます。今よりもテクノロジーにずっと楽観的であった当時において、こうした諸問題を一早く取り上げた本書の切れ味はとても鋭いのですが、現実にはyomoyomoさんの懸念以上に世の中は悪くなっているのではないか、とさえ思います。

インターネットに対する暗い予言と明るいヒント

悲観的な厭世家のワタシの懸念以上に悪くなった世界……。まぁ、2020年はそういいたくなる年だったわな。

もちろん本書は来たるべき(あるいはそのあと実際に来てしまった)テクノロジーの暗い未来を嘆くだけではなく、個人による情報発信、特にブログに対しては、巨大プラットフォームを打ち破ることはできなくても……という前置きはありつつ、前向きなメッセージが繰り返されます。本書をインターネットにおけるプラットフォーム対個人の物語として読み解くのは単純化が過ぎるかもしれませんが、開かれたウェブを絶滅させないためのヒントはまだあると信じたいです。

インターネットに対する暗い予言と明るいヒント

こう書いていただけて嬉しい。「特にブログに対しては」って、こないだ書いた「ますます「暗い森」になりつつあるインターネットの中で個人ブログを書くことの意味」をどうしても思い出してしまう。

それではまだまだ感想をお待ちしております。今更と言わず、Twitter でつぶやくだけでも結構ですので。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その37

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、前回の更新Amazon 版に低い星のカスタマ評価がついたことを触れたら、それに同情してくださってか、5つ星のカスタマレビューが2個追加されていた。

そのうち一件はなかむらかずやさんによるもので既出だが、ともあれ高い評価はありがたいことである。以下、新たなレビューから引用させてもらう。

Kindleってこういう使い方が出来るんだなぁ、と関心するようなユーザビリティの良さだった。リンク先の内容も含めると、短い本文から多くの情報(新書だと10~25冊分くらいの内容)をこの一冊から読み取ることが出来る。

良いインターネットのあり方について膨大な原典へのリンクと共に多くの議論が紹介されている。

新書10~25冊分くらいの内容! 皆さん、これを買わない手はないですよ!

この本で取りあげられているディストピアへの懸念が現実化した2020年にこの本を読むことが出来たことは幸運であり、著者のようにもうちょっと視座を上げて生きないといけない、と考えさせられた。

良いインターネットのあり方について膨大な原典へのリンクと共に多くの議論が紹介されている。

ワタシの文章の論調が暗いのは、もちろんワタシの性格が暗いからというのもあるのだけど、特にこの本で書いたことの苦さを再確認することが多々あった2020年だったとは言えるだろう。

このように反応が続く限りは、その宣伝目的であるこのブログも続くことになります。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その36

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、久しぶりに Amazon 版のページを見たら、星がついている。おっ、誰かレビューを書いてくれたのか! と勇んで見たのだが……

対応するレビューがない。Amazon のカスタマ評価ってカスタマレビューを書かなくてもできるのか。知らなかったぞ。

レビューの点数が5点満点で2点というのは残念だが、こればかりはそういう評価があったと受け入れるしかない。まぁ、これを不憫に思う人がいたら、ぜひ高い評価をつけてくれると嬉しい。カスタマレビューなしにもできるらしいし(もちろんレビューありのほうがなおありがたいが)。

さて、話は変わるが、10月18日から開催されているセキュリティ・キャンプ全国大会2020における高橋征義さん(id:takahashim)の特別講演「「まだないもの」の育て方」のスライドを遅ればせながら見ていたら、最初のほうで『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』が出てきて声をあげてしまった。

speakerdeck.com

高橋さん、ご紹介いただきありがとうございます。これを見たセキュリティ・キャンプ参加者が一人くらい達人出版会で買ってくれないものか。

そうそう、以前、「Kindle版や紙版を購入された方で、ボーナスのエッセイ「グッドバイ・ルック」を読みたい方は、購入されたものの写真かキャプチャ画像をメールでワタシに送ってくれたらファイルを送付します」と書いたところ、今までで計3名からリクエストがあり、ファイルを送らせてもらった。これは引き続き受け付けています。

矢吹太朗『Webのしくみ Webをいかすための12の道具』を恵贈いただいた

yamdas.hatenablog.com

このエントリを書いたのが6月半ばで、その時点では7月刊行予定だった矢吹太朗『Webのしくみ Webをいかすための12の道具』が、今月ようやく発売され、少しだけお手伝いしたワタシも恵贈いただいた。

実はワタシがお手伝いしたのは今年の3月のことで、つまりはそれから半年以上経っている。言うまでもなくコロナ禍が影響したに違いないが、今はとにかく刊行を祝いたい。

本になった『Webのしくみ』を改めて読ませていただいたが、本質的な内容を持つ優れた本という感想は変わらなかった。

本書の「はじめに」で、この本の想定読者が、13歳くらいの子供(と彼らにウェブを教える大人)であることが書かれているが、例えば、スマホを毎日使っているけど、ウェブがどういうものか実はよく分かっていないことに漠然と不安を感じていて、一度網羅的に基本を押さえたいという人は、いわゆる「文系」の人には多いと思う。そうした人にも遠慮なく勧められる本である。

ここからは純然たる自慢なのだけど、本書の「おわりに」でワタシの名前を協力者として出していただいただけでなく、「参考文献」で『情報共有の未来』、そして『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の名前が出てくる。

子供たちに「Wikiリテラシー」を習得させることは可能か,2008.http://archive.wiredvision.co.jp/blog/yomoyomo/200812/200812101400-trackback.html.この文書が収録された『情報共有の未来』(達人出版会,2012)と,同著者の著作は,本書『Webのしくみ』を読んだ後で「Webの実情」を知るための,必読書です.

もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて―続・情報共有の未来.達人出版会,2018.この本の出版は電子版のみだったのですが,特別版(紙版)が国会図書館に納本されています(国立国会図書館書誌IDは029721938).https://yamdas.hatenablog.com/entry/20190115/openwebによると,光栄なことに,国会図書館への納本は,筆者(矢吹)のツイートがきっかけとのことです.

この「参考文献」もウェブ(ネット)について知る上で欠かせない本がズラリと並んでおり、その中でワタシの著書に過分な言葉をいただいている。光栄なのはこちらのほうです。ありがとうございました。

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』への反応 その35

『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』だが、カタパルトスープレックスをいつも楽しく読ませてもらっているなかむらかずやさんが note に書評を書いてくださった。ワオ!

note.com

ワタシがこの電子書籍の元となった連載をしていた頃、海外で自身のスタートアップで奮闘されていたなかむらさんのような方から「yomoyomoさんはそのような当時の雰囲気をしっかりと捉えて、記事としてまとめています」と書いていただけるのは光栄である。

「特に印象的だったのが第42章のポール・グレアムの経済的不平等について」とのことで、これは「テクノロジースタートアップは経済的不平等に貢献しているか?」である。

日本のメディアの悪いところに、一度評価されたものがずっと棚上げになり、それがおかしくなってもそれをちゃんと批判されない(から、正しく「再評価」もできない)ところがあるとワタシは思っている。それは例えばポール・グレアムといった IT 系の偉人にも言えることで、この場合は彼が変節したのではなく、以前と主張は変わらないのだけど、それを受け取る側の潮目が変わったことはちゃんと示しておきたいとあえて書いた文章なので、それを評価していただいたのは嬉しい。

そうそう、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のバーナストラック「グッドバイ・ルック」について、たつをさんからコメントをいただいている。

たつをさんはワタシより一年年長であり、達人出版会高橋征義さんと同じく、いくつかの面でこうありたいと思うワタシにとってのお手本のような方なのだけど、ことこれに関してはワタシが「近未来」を先に体験してしまったということか。ただ、「グッドバイ・ルック」は書く内容を意図的にかなりコントロールしており、身内の半ば不条理コントのような尋常でないはた迷惑な行動など、単に読み物の面白さだけ求めるなら絶対入れた話をほぼ完全にオミットしているので、実際はもっとグチャグチャになりうる、とは言っておきます(笑)。

というわけで、まだまだ書評や感想などお待ちしております。

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