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フィッシャー・キング

DVDジャケット

いずれテリー・ギリアムについてはまとまった文章を書きます、と言って何年も経つのだが、これが今日衛星第二放送で放送される見込み。なぜか知らんが、『12猿』以外のギリアム作品のテレビ放送は妙に少ない気がするのでお知らせしておく。

個人的にギリアムのベストは『バロン』なのだが、『フィッシャー・キング』は何度観ても、何度観ても、ワルツの場面でボロボロ泣いてしまう。多分ワタシが一番泣く映画の場面。

Orkutと復讐クラブ

以前から読もう読もうと思いながら手を出せずにいた諸星大二郎の本を買うとっかかりを与えてくれた。ありがとう!

Orkutに誘われました。でも、これって実績のある人でないと誘われないんだけど。てへっ」みたいな自慢をしている方々にも、これぐらい実用性のある文章を書いてほしいものだ。

きたさんの出世と藤沢秀行とオマンコ

囲碁藤沢秀行名誉棋聖がはじめて棋聖位を獲得した当時、長年の荒んだ生活がたたり、借金で首が回らない状態だった。だから棋聖位獲得でもらえる賞金は何より重要だった。藤沢秀行は読売新聞の担当者にその金額を聞き、その額をそのままもらえるのかと驚きながら念を押した。つまり、それだけ多額だったということである。

彼は電話の元に走り、自宅に電話をかけた。受話器の向こう側の糟糠の妻に対し、藤沢は叫んだ。

かあちゃん、金が入るぞ。今から帰るからオマンコしよう!」

彼を尊敬する米長邦雄名誉棋聖(こっちは将棋)は、50歳にして最年長で念願の名人位を獲得した際、自宅に電話をかけ、同様のことを言ったとされる。

異論はあるだろうが、ワタシはこの話が好きである。この話を教えられ、感銘を受けたスタンリー・キューブリックが、遺作『アイズ・ワイド・シャット』の最後の台詞を、"Fuck" で終わらせたという話は意外と知られていない。

きたさんが出世されたとのことで、おめでたく、なおかつ羨ましい話だと思う。で、出世おめこめ&おめリンクという言葉を見たとき、ワタシが連想したのは上の話である。結果としてきたさんの期待通りのツッコミをしてしまったわけだが、その過程にはこういったドラマがあることをご理解いただきたい。

きたさんも奥さんを大事にして、お仕事に励まれてください。しかし、やっぱりだアレだね、きたさんもその日は家に帰るなり奥さんに向かって、「出世したぞ、オ(以下、自主規制)










……えーと、まさか本気にする人はいないとは思うが念のため書いておくと、上の文章におけるスタンリー・キューブリックのくだりはまったくのウソなので、うっかり引用したりせぬようお願いします。

世界で二番目に有名な無音の曲

普通、一番だろ……とCMネタをかましてもしかたがない。

何も聞こえない!--無音の曲を本当に販売しているiTunes Music Storeを読んで考えたのだが、無論一番有名なのは、ジョン・ケージのアレ。で、二番となると何か。

スライ&ファミリーストーンの "There's a riot goin' on" ではないでしょうか、chicさん……あ、更新止まったままだった。

これはスライの最高傑作であるアルバム『暴動』のタイトルナンバーなのだが、10秒弱の無音である。タイトルとあわせ意味深なものを感じるが、このタイトル自体は黒人コーラスグループ、コースターズのヒット曲の一節からとられたもの。

なお、プリンスの最高傑作『Sign 'O' the Times』の'O'にあたるマークは、『暴動』のスリーブからとられている(と思う)。

このように、創造は伝播していくものなのだ。レッシグ教授が「創造とイノベーションは常に過去の上に築かれる」というとき、当たり前だが「過去の作品を見習わなきゃならんよ」などという説教を垂れているのではない。この場合は「フリー」でなく「フェアユース」の話になるが、「精神のリレー」は、そのフェアユースの概念なくしては成り立たないのだ。

例えば、ジョン・ケージが「無音の曲」で特許を取り(笑)、片っ端から訴えていたら? コースターズのメンバーが曲タイトルに法外な使用料を課したら? スライがあのマークの独占権を主張し、プリンスを訴えたら? 考えるだけで恐ろしい。

もちろん上に書いたことには、現行法で認められる範囲を逸脱したものもあるから、現実的ではない。しかし、それに近いことは実際に起きている。かつてカーターUSMが曲中、「ルビー・チューズデイ」の名前を出したとき、曲自体はカバーでも何でもないにも関わらず、ストーンズの弁護士は法外な使用料をふっかけている。

……と例によってはじめと内容が全然変わってしまったではないか!

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