Linuxとビール:調査結果と論評
ワタシは、こういうおバカな(失礼)記事が結構好きだったりする。
個人的におっと思ったのは、Alan Cox がビールの銘柄で最初に「Asahi」を挙げていること。これアサヒビールのことかい? 海外でスーパードライを売ってるなんて話は聞いたことがないのだが。
しかし、何といっても Richard Stallman の答えがいかにも御大らしい。まるで散文詩(は言い過ぎか)。以下、全文引用。
ビールは好きじゃない。苦い。70年代のAI Labハッカーコミュニティではアルコールを好まない人が多かった。頭をすっきりさせたかったんだ。ぼんやりじゃなくね。僕らのコミュニティが多かれ少なかれ80年代に消え去ってしまったときに(Steve Levyの『Hackers』を見てくれ)、これとか、その他の多くの文化的特色が新しいハッカーのコミュニティに受け継がれなかった。ビールに関しては、愚かな多数派の影響力が賢明な少数派を圧倒したわけだ。
途中で名前の挙がる『Hackers』とは、スティーブン・レビーの『ハッカーズ』のことで、RMS が語る通り、70年代の AI Lab コミュニティとそこから失われてしまったものを活写した本である。
ワタシ個人としては、「麦風」が結構好みの味だったのに早期に市場から消えて残念だった……って、それビールでも発泡酒でもないじゃん!
ニューズウィークの「一流ブロガー」についての記事
こうやって日本語にするとアレですが。
さて、その Steve Levy がニューズウィークに執筆した記事「The Alpha Bloggers」が MSNBC で公開されている。
内容はアルファギークならぬアルファブロガーの影響力についてで、PodCasting の話などが目新しいが、登場する顔ぶれは例えばこうしたブロガー紹介記事が二年前に書かれていたとしても同じだったかもね、という感じではある。
世界最小のP2Pアプリケーション
だって、たった15行の Python コードですから。
以前にも講演を紹介した Ed Felten 教授に Alex Halderman が協力して作り上げたのがこの TinyP2P とのこと。ふひゃーっ。
フォトレポート:Macファンを主題にした書籍「The Cult of Mac」が大人気
早速この記事にトラックバックがいくつもついている。そういうのを見ると、一応ワタシもこの本を一月以上前に取り上げているんだけどなぁ、やはりうちは場末のサイトなんだなぁ、と悲しくなるのが正直なところである。
ビートルズのクリスマスアルバムがダウンロード可能
ビートルズがファンクラブ向けに配布していたレコードの音源が公開されている。元ネタは BoingBoing。
もちろんこれはオフィシャルなりリースではないのでそのあたりは認識しておきましょう。ちょっと聴いてみたが、確かにノイズもちゃんと入っていた(笑)。内容的にはマニア以外特に聴く必要もないっしょ。
そ、その目から緑色の光線を出しているヤツ、どこかで見たことあるような……
同じく BoingBoing の Moblog.co.uk crash: it's only a flesh wound! を見て、思わずお茶を噴出しそうになる。おいおい、いくら破滅的なサーバクラッシュが原因でユーザの画像消去をやらかしたからといって、そのキャラクターが出てくる理由が分からんぞ!
レッド・ツェッペリン DVD
なぜ今頃? と言われそうだが、発売直後に購入したこの DVD をようやく全部見終えたのだ。ずっと見よう見ようと思いながら、通して見るのを先送りにしていたのである。
奇妙に聞こえるだろうが、ツェッペリンが自分にとってとても大きな存在なので、その貴重なライブ映像となると、こちらもそれなりの準備(何の?)をして観なければならないと構えてしまうところがあったようだ。正直、DVD でなく CD の方を買っていればよかったと何度か思った。
ライブは年代順に並んでいるが、個人的にはディスク2のほうが盛り上がった。やはりねぇ、「幻惑されて」は、21世紀の時間感覚には合わんよ(と時代のせいにする)。それはともかく、メンバー4人が皆精悍で美しいのが素晴らしい。その後の残骸状態を知る者としては、ロバート・プラントをはじめとして神々しくさえある彼らの立ち姿を見れて本当によかった。
例えば DVD 二枚目の一曲目「移民の歌」のエネルギーはどうよ。『BBC Sessions』でもこの曲の演奏には度肝を抜かれたが、やっぱりライブにおけるボンゾ(ジョン・ボーナム)のドラムのテンションは異常だ。アールズコートでの「天国への階段」で、プラントがクライマックス部分を一オクターブ下げて歌ってるのもこれに免じて許してやろう(偉そうに)。
しかし、個人的に一番興味深かったのは、1979年のネブワースにおける「アキレス最後の戦い」である。
この頃にはジミー・ペイジは、「できるかな」のノッポさん化が進行しており少しヨレた感じで、一方で翌年死んじまうようにはとても見えないボンゾのパワフルなドラムがペイジをいたぶっているように見えて笑えるのだが、重要なのはそこではない。
「アキレス最後の戦い」は、ツェッペリン後期の代表曲と言われる。まあ、実際その通りなのだけど、楽曲自体もさることながらプロダクションがかなりヘンなのだ。ツェッペリンのバンドサウンドのイビツさについては、おれカネゴンさんの評言を引用させてもらおう。
Led Zeppelinの困ったところは「コピーしてもキマらない」こと。(中略)その原因は、異常なぐらいメンバー4人のノリ(groove)が違うことにあるとカネゴン一方的に決めつけている。ノリに関する認識がここまで違っていたら、普通は音楽として成立しない。(中略)ポイントは「ギターは全然違うことを考えながら演奏する」「ドラムは絶対他のメンバーに合わせない」「ベースはまったく主張しない」「ボーカルはバックの音を聞かない」こと。これをうまい人達がやってしまっているところが肝心。
「アキレス」の場合、ボンゾのドラムが直情的に突っ走り、それにペイジが一世一代のギターワークでガチに応酬し、一方でプラントは太鼓とギターリフのバトルとまったく別方向に朗々と歌いあげるという「カシミール」あたりで顕著になった、音響的にバランスが悪く、情緒的な観点でいえば不健康な、しかしバンドの音がひと塊となってハンマーのように聞き手に振り下ろされるという後期ツェッペリンのプロダクションの集大成なわけだが、ネブワースのライブ映像を見ると、ボンゾの圧倒的なドラムに右に左に振り回されるノッポさんの横で歌うプラントが力強いのだ。紛れもなく楽曲の中心に立っている。
ロバート・プラントが優れたボーカリストだということは分かりきった話なはずなのだが、90年代以降のツェッペリンの評価がボンゾのドラムとペイジのリフに集中していただけに、自分が一番好きだったメンバーがパーシーであることを思い出させてくれてよかった。
しかしなぁ、インタビューにはちゃんと字幕を付けてよ。