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「メンテナンス可能なコードの書き方」反応集

「プログラミングはソングライティングに似ている」を訳したときも思ったのだが、プログラミングに関する文章はご同業の方々の食いつきがよいようで、Bram Cohen の How to write maintanable code 日本語訳についても、通常より多くリンクいただいた。ありがたいことである。

単なるクリッピングでなく何かしら感想・意見が書かれているものを以下に列挙しておく(抜けがあるかもしれませんがご容赦を)。

こういうとき blogmap が便利なのは言うまでもありません。

金髪ゴリラ棋士(失礼!)、羽生二冠に挑む

勝手に将棋トピックスによると、今度の日曜日のNHK杯将棋トーナメントは、羽生善治二冠と橋本崇載四段の対局とのこと。

橋本崇載四段については当方がとやかく説明するより、「将棋界に新たなスター誕生」を見ていただくのが一番だろう。ワタシもこのときの対局を寝ぼけ眼で見て、一瞬自分の目がおかしくなったかと思ったものだ。

ここで彼が対局開始時に(「よろしくお願いします」でなく)羽生に向かって「大暴れするぞ、かかってこんかい!」と親指を下に向けながら啖呵を切ったら、彼は間違いなく将棋史に残る伝説となるのだが(笑)、まあそれはないでしょう。

大分変わっているとは思うが、基本的に将棋界は非常に陰湿なムラ社会なので、彼のような異質な人物に対する風当たりは強いのかもしれない。それに負けずに大暴れして、将棋ファン以外をも大いに楽しませてほしいものである。

彼を応援する FLASH も作られたとなれば、準備万端だ(何の?)。

買収されたと疑われないためのブロガー倫理

「新聞コラムニスト買収に続き、ブロガーお前もか」ということで、ハワード・ディーン陣営が大統領選挙の予備選でブロガーに報酬を渡していたことが報じられている

レベッカ・ブラッドは『ウェブログ・ハンドブック』の中で「ブロガーの倫理」と題して守るべき6つの規範を示しているが、その中に「利害の衝突があれば開示する」というのがあり、今回の件もそのあたりをちゃんと開示しておけば問題なかったのではないか。

向こうのコラムニストの文章などに、「当方は○○の株式は所有しない」とか文章で取り上げた企業などについての言及が文末にあったりして、以前はこういうのを読むと、何をすかしたこと書きやがって、お前の話など知らんわい、と勝手に反発したりもしたものだが、「ブロガーの倫理」を訳し、そういうことだったのかと合点がいった。以来、ブロガーでない当方もそれを守るようにしている。具体的には、雑誌や書籍などを献本してもらった場合、それについて何か書くときにはその旨を明記して(心置きなく好き勝手書いて)いる。

実際ブロガーでも有名どころでいえば BoingBoingCory DoctorowTechnorati のタグ導入を報じるエントリの最後に、自身が Technorati のアドバイザーを務めているという情報をちゃんと開示している。

さて、件の報道の元となった Zephyr Teachout とともにハワード・ディーンのブロガーを利用した選挙戦略を担った Joe Trippi は、そのときの模様を記した『The Revolution Will Not Be Televised: Democracy, The Internet, And The Overthrow Of Everything』という本を書いており、なかなか面白い本に仕上がっているらしい。

追記:Joe Trippi のブログを利用した選挙戦略については、レッシグブログの「Joe Trippiインタビュー」が分かりやすい。Zephyr Teachout の名前も出てくる。

「ブロガー vs. ジャーナリスト」はもう終わり、なのか?

件の買収報道には、やはりブロガーとジャーナリストの緊張関係が背景にあるとワタシは思う。

そうした中、Jay Rosen が Bloggers vs. Journalists is Over という長文のエントリを書いている。結論はタイトルに言い表されているわけだが、そこにいたる過程についてはやはりエントリを読んでもらうほかない。

面白いのはこのエントリが Blogging, Journalism & Credibility というカンファレンスのために書かれたもので(Rebecca MacKinnon が主催者側にいる)、向こうのブロガーの方々はこういった外に向けたプレゼンテーションをよくやるなという印象がある。

件のエントリは Dan GillmorEnding One Fruitless Debate で知ったのだが、草の根ジャーナリズム、市民ジャーナリズムを唱道する彼にしてもこの手の対立を煽る話はうんざりらしい。

ブロガーはジャーナリストなのかと聞かれると、私はあきれて言う。「そういう人もいるでしょうし、そうでない人もいます」

結局はそれだけのことなのだが、話を日本に移して「ブログから生まれるジャーナリズムは」のような夜郎自大なジャーナリスト側の文章を読むと……

名探偵登場

DVDジャケット

大昔にテレビで一度だけ見たことがあったが、レンタル屋で DVD をみかけて懐かしくなり借りてみた。

既にオチは知っているわけだが、本作は推理劇というより何よりそのパロディなのでさして支障はない。もっとも「コメディの傑作!」と力むような映画ではなく、リラックスして緩く笑いながら観るのが合っている。各探偵役の元ネタを知っているとより楽しめるのだろうが、彼らの会話の妙を楽しめるよう吹き替え音声が用意されていてもよかったのではと思う。

出演者はかなり豪華で、ピーター・フォークアレック・ギネスマギー・スミスデヴィッド・ニーヴン、そして我らがピーター・セラーズというキラ星のような面々がバカ映画に分類されかねない本作で一堂に介しているのは、脚本がニール・サイモンだったからだろう。小説で言えば残り5ページになって突然真犯人が明かされる探偵劇のパロディである、何の脈路も伏線もなく次々と真犯人を言い当てる探偵達とそれをなじる犯人の場面の後、最後の最後に納得のいくもう一捻りを加えているのは彼なりの矜持のあらわれか。

まあ、当方にとっては、動くトルーマン・カポーティを見れる! というのが一番嬉しいわけだが。作家としては当時既に下り坂にあった彼だが、本作では見事な怪演を果たしており、『夜の樹』の諸作をはじめとする彼の短編小説を愛する人間にはありがたい映画に違いない。

映画トリビア 〜 アカデミー賞とラジー賞の同時ノミネート

さて、アカデミー賞の発表が近づいてきたが、アカデミー賞とその対極にあると言われるゴールデン・ラズベリー賞ラジー賞)の両方に同一の映画からノミネートされた例はあるのか。ワタシが知るのは、先の『名探偵登場』にも出演しているジェームズ・ココが、『泣かないで』でアカデミー賞助演男優賞ラジー賞ワースト助演男優賞の両方にノミネートされた例だけである。残念ながらというべきか、どちらも受賞はできなかったが、両方受賞していたらどうなっていただろう。

監督賞や作品賞では実は結構あるのかもしれないが、演技についての賞となると多分これだけではないだろうか。他の同時ノミネート例についてご存知の方は教えてくだされ。

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