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Aaron Swartzが自殺により26歳の若さでこの世を去った

元々は三連休明けに更新する予定だったが、そんなこと言っていられない事件が起きたので。

既にご存知だろうが、Aaron Swartz が自殺した。享年26……いくらなんでも若すぎるだろう。

彼の仕事は多岐にわたる。RSS 1.0 の共同編集者(当時14歳)、初期 Creative Commons のアーキテクト、Reddit の立ち上げ(正確には創業者ではない)、DemandProgress.org の立ち上げといったプログラマ、起業家、アクティヴィストとしての仕事が知られるが、他にも旺盛な執筆家であり、初期の Open Library に代表される Wiki 的なサイトにいくつも携わり、また theinfo.org などウェブスクレイピング関係も外せない。今をときめく Apple ウォッチャー John GruberMarkdown を考案してたのが些事に思えるくらい。

そして、彼にはこれからできる仕事がまだまだいっぱいあったはずなのだ。彼のコードで世界が変わるはずだったのだ。そうした力のある人がどれだけいるだろう。彼はそうした紛れもなくハッカーでありながら、テクノリバタリアンと一線を画す人間性への信頼を持ち合わせた人だった。

事情を知らないので想像になるが、2011年にデータ窃盗などの疑いで逮捕された件がどの程度関係していたかが気になるところだ。この件に関してレッシグ先生も怒りの文章日本語訳)を書いており、彼の家族からのステートメントにも以下のようにある。

Aaron’s death is not simply a personal tragedy. It is the product of a criminal justice system rife with intimidation and prosecutorial overreach.

http://rememberaaronsw.tumblr.com/post/40372208044/official-statement-from-the-family-and-partner-of-aaron

いずれにしても悲しいとしか言いようがない。

彼についてよく知らない人はまず2007年のインタビュー、そして私のような仕事につく方法生産的になろうを読まれるのがよかろう。

ワタシも彼の仕事については WiredVision 時代、二度取り上げている。

また、彼の文章をいくつか翻訳もしている(昨日からはてなブックマーク数が増えている)。The Goog Life は、ワタシが訳した文章の中で屈指の話題となった文章だが、確かに当時無敵だった Google もその後 Facebook に脅かされている。

ワタシの場合、昨年8月に「スタートアップの――」を訳したときに Twitter で許諾をとったのが最後のやり取りになってしまった。

今回の訃報に接し、Nat TorkingtonTim Bray といった著名人が思わず4文字言葉を使っていたのが衝撃を物語っている。Dave Winer のちょっとした思い出語りも胸に迫るし、Lawrence Lessig の簡潔なツイートの後に書いた追悼文における最後の文章 "We are all incredibly sorry to have let you down." に涙がこぼれた。著名人の反応は GigaOm にまとまっている。

追悼文では Cory Doctorow も長いものを書いているが、最後にやはり "I'm so sorry for Aaron, and sorry about Aaron." と書いていて泣けてくる。

彼の死を受け、Creative CommonsInternet Archive(今回の件を受け、The Aaron Swartz Collection を開設している)、Electronic Frontier Foundation日本語訳)、Wikimedia Foundation といった故人と関わりのあるフリーカルチャー系の団体が軒並み追悼文を寄せている。

Wikimedia Conference Japan 2013が来月開催される

Wikimedia Conference Japan 2013 が来月3日に東京大学本郷キャンパスにて開催されるとのこと。

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これって Wikimedia Conference Japan 2009 以来だよね……と念のために調べたら Wikimedia Conference Japan 2010 が開かれていたんだね(当時も気付いていたはずだが、どうも思い出せない)。

今回のプログラムも既に公開されているが、大向一輝さんや江渡浩一郎さんといった知った名前も見え、見に行きたいが難しいかな……

Wikimedia財団が旅行サイトWikivoyageを公開……ってWikiTravelがあるのに?

このニュースは意外だった。別に Wikimedia 財団がどういう分野に進出するのも勝手だが、旅行サイト+オープンライセンスな Wiki といえば Wikitravel という先達がいるからだ(参考:昔ワタシが訳した Wikitravel 創始者の文章)。

ということは、Wikitravel なんかふっとばせると判断したということか。いずれにしても Wikivoyage の今後に注目ですな。これを書いてる時点でまだ日本語版はないけど。

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生きててよかった……デヴィッド・ボウイの新譜を手にする日が10年ぶりにくる

先週デヴィッド・ボウイの新曲、並びに10年ぶりのニューアルバムのニュースが世界を駆け巡ったとき、ワタシはてっきりデマだろうと思った。

この10年、何度かその手の話題があったし、正直ボウイはシーンに復帰するつもりはもうないのでは、と半ば諦めていたからだ。

しかし、今の時代にここまで新作制作の情報を隠し通したのはすごいな。

既にベルリン時代を回顧する歌詞の "Where Are We Now?" が公開されている。

最後登場するボウイ様はキリっとしていてさすがなのだが、ビデオの間中ぬいぐるみの顔状態で登場するボウイがかなりヘンで(隣の女は誰だ?)、これはどういうつもりなんだろうと思ったりもする。

でも、曲は美しくて、ワタシなど1993年(20年前だ!)『Black Tie White Noise』からの "Don't Let Me Down & Down" を聴いたときに感じた、ようやくこちらも落ち着いて、帰ってきたボウイを迎えられる、という感覚を思い出した。

ただプロデューサーのトニー・ヴィスコンティもギタリストのアール・スリックもアルバムはロックトラックが多いと断言していて楽しみである。

ワタシはこれを聴くまでは死ねない。生きててよかったよ。

The Next Day

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