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【自慢】将棋アマ三段の免状を取得した【祝、羽生善治永世七冠達成】

既に他の場所で自慢しているのだが、せっかくなのでこのブログでも自慢させてもらう。

日本将棋連盟より将棋アマ三段の免状を取得した。

前回1995年にアマ二段の免状を取得したのは、その前年に米長邦雄が念願の名人位を獲得し、かつて彼を人生の師と仰いだこともあるワタシも喜んだのだが、その名人位の挑戦者に羽生善治が名乗りをあげたところで、しまった! 名人 米長邦雄の署名が入った免状を持ってなかった、と慌てて資格取得に急いだのだが、残念ながら間に合わず、「名人・竜王 羽生善治」の署名になってしまったという過去がある。

今回免状をまた取ろうと思ったのは、羽生善治竜王位を奪取したときで、正直今年を逃せば、また羽生善治の署名が入った免状を取得する機会はないかもしれないと思ったからである。その後、羽生さんが名人位の挑戦者になるという予想外の展開になり、念のためにその結果を見極めてから取得の手続きを取った次第である。

前回は「将棋世界」の認定コースを頑張ったが、今回は将棋倶楽部24の点数で申請させてもらった。実を言うと、最大瞬間風速で四段の免状を取得できる資格があるのだが、四段ともなるとそれこそ県代表クラスの実力者ということになり(だよね?)、ワタシはとてもではないがそんな実力はないわけで、三段で取得させてもらった。

というか三段でもおこがましいにほどがあるのだが、三段であっても資格取得にはケチなワタシにしてみればかなーりなお金がかかるわけで、まぁ、道楽ですね。

羽生善治の字が汚いと言ってはいけない風潮があるのかは知らんが、ワタシは羽生さんの署名が入った免状をまた取得できてひたすら嬉しい。羽生さんと同時代人であることをワタシは誇りに思う。

というわけで、名人 佐藤天彦竜王 羽生善治の署名である。日付がなぜか今日なのは深く考えないことにする。

日本将棋連盟から届いた荷物には、免状以外に結構な大きさの箱があり、なんだと思ったら、羽生善治永世七冠達成記念の時計だった。これはまったく予想しておらず、ワタシのボルテージは最高潮に達した。

時計の写真におっさんが住む殺風景な部屋が写りこんでいて非常に見苦しくて申し訳ない。

さて、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』についても、もう少しすると告知したいことがあるのだが、それとは別にワタシが文庫本解説を書いた河口俊彦大山康晴の晩節』もよろしくお願いします。

リーナス・トーバルズの謝罪をめぐる疑惑?

先週、大変話題になったリーナス・トーバルズの謝罪だが、個人的にはちょっとひっかかるところがあった。

というのも、今回の意思表明のきっかけとなった Linux カーネルの会議にリーナスがスケジュールを間違えて参加できなくなったら、会議自体が彼に合わせて再スケジュールされたという話が、彼の謝罪内容となんか合致してないように思えたからだ。

リーナスの意思表明の数日後に公開された記事だが、彼がこれまで主に LKML 上で行った過去の悪行(?)を取り上げ、いろんな女性開発者に取材している。単に彼の意思表明を受けての記事ではなく、リーナスのコミュニケーションスタイルのせいで、Linux カーネルの女性開発者が少ないんじゃないか、彼の姿勢が Linux カーネル開発コミュニティの女性軽視につながっているのではないか――というアングルに基づいている。

さらに言えば、これを少し前の Guido van Rossum が Pythonの仕様策定から離れるというニュースと絡め、オープンソース運動が直面している #MeToo ムーブメントと言いたいらしい。

かの New Yorker にリーナス・トーバルズ、並びに Linux カーネルコミュニティを取材する記事が載るなんて確かに驚きなのだけど、この記事を書いている Noam Cohen は、ワタシもBackChannelチームが選出した2017年最高のテック系書籍11選で紹介した『The Know-It-Alls』の著者なんですね。New Yorker のような雑誌でもテック系の記者を雇う時代なのである。

The Know-It-Alls: The Rise of Silicon Valley as a Political Powerhouse and Social Wrecking Ball

The Know-It-Alls: The Rise of Silicon Valley as a Political Powerhouse and Social Wrecking Ball

リーナスが LKML で使う罵倒語について分析した論文(そんなのあるんだ!)によると、彼はジェンダーバイアスはなく男女問わず無礼とか、この記事自体興味深いので、どこか日本語に訳さないかと思う。

さて、先週末にこのブログを読み、うーん、となってしまった。これを書いている Valerie Aurora は、オープンソースコミュニティーの男女差問題に取り組む Ada Initiative の共同創始者として知られ、2013年にオライリーOpen Source Awards を受賞している人である。

彼女自身、上記の New Yorker の記事の取材を受けているのだが、彼女は Noam Cohen の記事が Linux コミュニティに少なくとも一年くらいかけて影響を及ぼすんじゃないかと思っていたら、件のリーナスの意思表明という急転直下があって驚いたとのこと。

で、彼女は、今回のリーナスの意思表明は、New Yorker の記事が出る前にリーナスの雇用主である Linux Foundation が、リーナスの Linux カーネル開発者としてのダメージを緩和すべく、またそれにともなう経済的損失を緩和すべく先手を打ったものじゃないか、と考えているようだ(明言はしてないけど)。

さて、この手の話はとてもセンシティブだし、ワタシの誤読もあるかもしれないので、ワタシの要約をうのみにせずにできれば原文にあたってほしい。

正直、こんな疑惑(?)をかけられるくらいなら、リーナスには謝罪なんてしてほしくなかった。(こういうことを書くと叩かれるかもしれないが)リーナスが誰かにセクハラしたわけじゃなし、#MeToo ムーブメントなんかと絡められるのも気に入らない。

リーナスが他人の気持ちを考えられるようになるのもそれは結構なのだけど、初期 Linux カーネル開発における最大の功労者の一人である Alan Cox にネチネチ厳しい指摘をしてブチ切れさせるぐらいの、忖度も容赦もない姿勢により担保されてきた品質があるのではないか。

高須正和さん訳の『ハードウェアハッカー 〜新しいモノをつくる破壊と創造の冒険』が来月刊行!

今年のはじめに高須正和さんの『The Hardware Hacker』翻訳を期待するという話を書いたのだが、その邦訳『ハードウェアハッカー 〜新しいモノをつくる破壊と創造の冒険』が10月に刊行されるとのこと。ワオ!

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

ハードウェアハッカー ~新しいモノをつくる破壊と創造の冒険

書籍の詳しい内容は技術評論社のページを参照いただくとして、山形浩生の監修がしっかり入っているそうだ。

技術評論社のページに高須さんが書いているが、この本の著者は Chumby の立ち上げにも関わった人で、その昔「Chumbyの誕生」という文章を訳したワタシ的には感慨深いものがある。言われてみれば、Chumby って IoT の先駆けにして、中国でのモノづくりを成功させたハードウェアベンチャーの先駆けだったんだよね。

元Google中国支社長が「中国がAIで米国に圧勝する理由」について書いた新刊が面白そうだ

この記事でインタビューを受けている Kai-Fu Lee は、マイクロソフトGoogle の中国支社で要職を務めたとても著名な人で、スティーブン・レヴィ『グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ』の中国の章で名前が出てきたのを覚えている人もいるかもしれない。

その彼の新刊のテーマは AI なのだが、中国の優位性を主張していて気になる。

AIは発見から実装のフェーズに入った。新しいアルゴリズムを発見した人が有利だった時代は終わり、今重要なのは実装。多くの資金とデータを持って早く動くところが勝つ。この意味で中国は有利だ。

https://aishinbun.com/comment/20180922/1735/

その今日発売になる新刊については公式サイトができているので、詳細はそちらを見てもらうとして、China Vs. US というページがありますな。

マイクロソフト CEO のサティア・ナデラ、(先日 TIME 誌を奥さんとともに買収したのがニュースになった)Salesforce のマーク・ベニオフ、そしてアリアナ・ハフィントンといって著名人が推薦の言葉を寄せているが、当然ながらというべきか Google 関係者の名前はない。

AI Superpowers (International Edition): China, Silicon Valley, and the New World Order

AI Superpowers (International Edition): China, Silicon Valley, and the New World Order

AI Superpowers: China, Silicon Valley, and the New World Order (English Edition)

AI Superpowers: China, Silicon Valley, and the New World Order (English Edition)

これは邦訳出るやろうね。

古いカセットテープの写真を公開するVintage Cassettesがすごい

ウェブで素晴らしいと思うのは、よくぞこの情報を集めてくれた! と言いたくなるサイトに行き当たったときである。

最近はそういうサイトも少なくなったなという印象なのだが、調べものをしていて知った Vintage Cassettes には驚いた。

これはカセットテープの写真をひたすらアーカイブしているウェブサイトなのだが、1963年から2010年までのおよそ半世紀(!)に及ぶ期間的な網羅性、アメリカだけでなく欧州や日本も含む地理的網羅性もすごい。

ご存知の通り、カセットテープのメーカーというと SONYTDKMaxell など日本のメーカーが強かったので、ここに掲載されている写真に見覚えがある(あるいは、未だ現物が手元にある!)人も多いはずだ。

こういうサイトにどのような価値があるのかは正直分からないのだが、単純に金銭的価値につながらないアーカイブこそ実は後で大きな価値を持つ場合があって、これもその一つかもしれない。

そういえば、ワタシが記憶するだけでも『キングスマン』『ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー』など、カセットテープが重要な役割を果たす映画が近年あったねぇ。

今では PC を使わずにカセットテープをデジタル化する MP3 コンバータが売ってるみたいだけど。

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