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10月8日に開催される「技術書典5」にて書き下ろし技術コラムを含む『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版を販売します

一週間後の10月8日に開催される技術書オンリーイベント「技術書典5」において、達人出版会ブースにて、『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』の特別版を販売する。

特別版とはどういうことかというと、現在販売中の『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』と以下の点が異なる。

  1. 今回新たに書き下ろした技術コラムの新作「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」を含む
  2. 『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のエッセンスというべき章を選別した編集版
  3. 電子版に加え、紙の書籍のセットで販売

あとまだ現行版に入っていない誤記の修正も入っているはずだが、これはいずれ現行版にも反映されるだろう。ただ、少なくとも3の「電子版に加え、紙の書籍のセットで販売」というのは、このイベントオンリーになるのではないか。

なお、2の「章を選別」というのにボリューム不足を心配する向きがあるかもしれないが、それはない。なぜかというと。今回書き下ろした新作「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」が、例によってリンクをはりまくる文章であり、リンク先となる章をすべて収録し、これもあれも付け加えていたら、8割以上の章が入ってしまったと高橋征義さんがぼやいていたからである(笑)。

さて、その「インターネット、プラットフォーマー、政府、 ネット原住民」は、ワタシがおよそ2年ぶりに書く技術コラムの新作である。はっきりいって、常軌を逸した長さである。『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』に収録されたどの文章よりも長い。連載時は前編後編に分けた最終回「ネットにしか居場所がないということ」よりも長い、と書けばどれくらいの分量か分かってもらえるだろうか。

なぜそんな狂った長さになったのか、どういう文章なのかといった話は、明日の更新で書かせてもらう。

そういうわけで、「技術書典5」にお越しの方は、どうか達人出版会ブースで『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』特別版を気にかけてくださるとありがたいです。このイベントや会場アクセスについては、mochikoAsTech さんの「技術書典5っていつ?どこでやるの?何時にいけばいいの?混むの?」が参考になります。

過去の白人罵倒ツイートで炎上したサラ・ジョンの逆襲『ゴミのインターネット』

ひと月ほど前になるが、Verge が Sarah Jeong という人が3年前に出した『The Internet of Garbage』を再掲していて、この新版は電子書籍としても再度リリースされている。

The Internet of Garbage (English Edition)

The Internet of Garbage (English Edition)

「ゴミのインターネット」といっても、ワタシが以前取り上げた IoT 絡みの話ではない。こちらはオンラインハラスメントについての本である。

ここで種明かしをすると、著者の Sarah Jeong は韓国生まれのジャーナリストで、ニューヨークタイムズ編集委員に任命された直後、過去に行っていた白人を罵倒するツイートが掘り起こされ炎上した人である。

ニューヨークタイムズは彼女を擁護し、その地位を辞すことはなかったのだが、彼女は自分がかつて出したオンラインハラスメントを主題とする電子書籍の新版を(今回の騒動を受けて)再刊することで、逆襲に転じたというわけである。さらなるアップデートを行う予定もあるようだ。

ふーむ……過去のツイートを(文脈抜きで)掘り起こし、それを理由に職を奪われるようなことはないほうがよいとワタシも思う。少し前のジェームズ・ガンのような例があるだけに。しかし、Quinn Norton の事例を考えると、彼女が「韓国系」でなく「白人」で、侮蔑する対象が「白人」でなく例えば黒人などのマイノリティであったら、彼女は擁護されただろうか、と割り切れない気持ちにもなるのも正直なところである。

マイクロソフトがMS-DOS v1.25とv2.0のソースコードをGitHub上で公開のニュースで思い出す心温まる話

MS-DOSソースコード公開自体は2014年に実現しているが、当時はオープンソースライセンスは付与されてなかったのではないか。今回は MIT ライセンスだし、何より公開先の GitHubマイクロソフトに買収されていたりする。これは2014年にも予想できなかった未来である。

ワタシは昔「マイクロソフトは、Windows 98 SEをオープンソースとして公開すべきだ」という文章を訳しているのだが、10年後くらいに実現したりして(笑)。

MS-DOS 2.0というとワタシが真っ先に思い出すのは、かつて「暗く、苦々しく、悲しい話にこそワタシは惹かれる」で紹介した、ポール・アレンが『ぼくとビル・ゲイツマイクロソフトイデア・マンの軌跡と夢』で書いていた、MS-DOS 2.0 の開発に心血を注いでいた当時の話である。

 あれは一九八二年、一二月の終わり頃だった。ビルのオフィスの前まで来ると、ビルとスティーブが何やら熱心に話し込んでいるのが聞こえた。私は立ち止まってしばらく聞いていた。話の主旨はすぐにわかった。二人は、私のこのところの働きの悪さに対して不満を持っていて、私のマイクロソフト株の所有比率を下げようとしていたのである。彼ら自身や他の株主に追加のストックオプションを発行し、私の所有比率を下げる、という考えだ。話の様子から、その時急に思いついたわけではなく、しばらく前から考えていたことも明らかだった。
そのまま聞きつづけることもできず、私は中に飛び込んでいって叫んだ。「なんてことだ! 信じられないよ! 君たちがどういう人間なのか、よくわかったよ。もうおしまいだな」二人に向かって話してはいたが、私の目は、まっすぐビルを見ていた。まさに決定的な場面を見られた彼らは、何も言えずに黙り込むだけだ。そして、彼らに言い返す暇を与えず、私は回れ右をしてその場をあとにした。

ビル・ゲイツは、闘病中の共同創業者を労うどころか、彼の影響力を下げようとスティーブ・バルマーと密談していたのです。ポール・アレンはそれでも遠慮してか書いてませんが、ロバート・X・クリンジリーによれば、二人はアレンが死んだらどうしようというところまで話し合っていたようです。

心温まる話である。

ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト アイデア・マンの軌跡と夢

ぼくとビル・ゲイツとマイクロソフト アイデア・マンの軌跡と夢

ビースティ・ボーイズの回想録が今月刊行される

ビースティ・ボーイズの生存メンバーであるアダム・ホロヴィッツ(アドロック)とマイケル・ダイアモンド(マイクD)による回顧録が今月出るんだね。

Beastie Boys Book

Beastie Boys Book

Beastie Boys Book (English Edition)

Beastie Boys Book (English Edition)

表紙の若い3人の写真にグッとくる。書籍の詳細は公式サイトを当たってくだされ(Ad-block が入ったブラウザで見ると、真っ白になるが……)。

590ページにもおよぶボリュームで、今だと Kindle 版のほうが圧倒的に安いですな。まぁ、さすがに来年あたり邦訳が出ると思うけど。

Sounds of Science

Sounds of Science

クワイエット・プレイス

ひと月以上映画館から足が離れていたのだが、とても評判の良いホラー映画と聞いて公開初日に観に行った。

ワタシはかなりビビりで、ホラー映画でよくある「ドン!」という衝撃にビクっとなりやすく、映画館で観ると恥ずかしい思いをしてしまう。本作でもそれが数か所あって、参ったよ。

ワタシは一人で郊外のシネコンで観たのだが、リア充っぽい5人くらいの男女が2、3組ぞろぞろとやってきて、彼らの話声や食べ物をがさごそやる音が気になっていた。が、最後のクライマックス時には場内が完全に無音になっており、それくらい観客を引き込む映画ということですね。

主役の夫婦は実生活でも夫婦とのことで、妻役の人はどこかで見たと思ったら、『オール・ユー・ニード・イズ・キル』で観ていたか。

いや、本当によくできていたと思う。例によって家族の物語なのだけど、長女の設定がうまかった。妻役がどうしようもなく絶体絶命の立場に陥るのだが、それをどう逃れられるか、伏線の組み立て方が巧みなのだ。というか、あんな能力の偏った生命体だったら、あそこまで人類滅亡近くまで追いやられることなんかない気もするが、この手の映画にそれを言っちゃいけないでしょう。

ただその妻役を窮地においやるアレが最後近くにもう一度くらい物語のフックになるかと思いきや、そうならなかったのが少し不思議だったな。

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