ついに公開されましたね、「JBAの問題点に関する報告/JBAとネオテニーの関係について」。この文章に書かれていることは、僕自身の考えとほぼ同じである。が、JBA 自体に僕がコメントしてももう無駄なので、伊藤穣一氏について書いておく。
YAMDAS Project の読者ならご存知だろうが、過去僕は伊藤穣一氏について文章の中で何度か批判している。しかし、それでも一部有意義な活動をしていることは承知しているし、HotWired 原稿などに代表されるようにちゃんと彼の発言を取り上げ、フェアに評価するよう努めている(もちろん、それは彼に限った話ではない)。
しかし JBA の一件に関して、彼は非を免れないのではないか。自分が発起人である団体において、それも自身が代表を務める会社が投資する Movable Type を舞台に、自身が肩入れする Creative Commons License が踏みにじられていたわけである。逆にいえば、これ以上の条件が他にあるだろうか。非常に慎重に行うべきことを、最も情報があるべきはずのネオテニーの人間が見過ごしていたのを責めるのは重箱の隅つつきではなかろう。
こういうお仲間優遇ととられかねないことをしていては、彼がご執心の先日日本語版(PDFファイル)も公開された Emergent Democracy の信用性だって怪しいものだ。伊藤穣一は現実に JBA という場(blog)の運営に失敗しているではないか。もちろんその責任は彼だけにあるのではないし、彼に一番重い責任があるというのでもない。しかし、単なる場の運営の失敗だけならともかく、Creative Commons License が蹂躙されていたことについては、Creative Commons の活動を支援したいと思っている人間として怒りを覚える。伊藤穣一が Creative Commons の理事になるというアナウンスを聞いてちゃんちゃらおかしいと思うのは間違っているのだろうか。
余談であるが、Emergent Democracy が向こうのブロガーからも大して評価されていないという話は本人自身が語っているところである。その評価は例えば Rebecca Blood のネットインタビューを引き合いに出すまでもなく妥当なものだと思う。