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Memex, Hyperlinks, Weblogs, and Google

さて、今回の文章を訳そうと思ったのは、これが yomoyomo 生誕三十周年を記念して書かれた文章であるから、というのは真っ赤なウソで(当たり前じゃ)、Vannever Bush の『われわれが思考するごとく(As We Think)』が引用されており、現在のウェブにおけるハイパーリンクウェブログ、そして Google の関係性について語られていたのを面白く思ったからだ。

というのも、実は Rebecca Bloodの『ウェブログ・ハンドブック』の冒頭に、この『われわれが思考するごとく』が引用されているのですな。

今回訳した文章を見れば、件の論文で語られる Memex を媒介とすることで、Googleウェブログに注目することが不思議でないことが分かっていただけるだろう。ウェブログは、ハイパーテキストハイパーリンクにより構成される WWW というメディアに最適化されたライティング、パブリッシングの形態であるが、それはガチガチに計画・設計されたものでなければ、企業が旗振ってこうなったわけではない。熱心なウェブユーザの試行錯誤の結果、自然とこの形態に落ち着いた、というのが実際のところである。

ウェブログウェブ日記なんかと違う新しいものです! みたいなことを言う人がいると、いろいろ批判が出る。というか、ワタシ自身そうした言説には、何か一言言ってやりたくなる。だってそういうのの多くが、ひどく表層的だったり限定的だったり排他的だったりするからだ。ウェブログの新規性、より、まずその本質性を説くほうが良かったのにと今になって思う。もうどうでもいいことだが。

ウェブログ・ハンドブック』については著者による日本語版への序文でも、Google による Pyra(というか Blogger)買収には当然触れているが、上に書いたような自分が引き合いに出した Memex の位置から見た場合の Googleウェブログに関する視点が抜けており、そこらへんを「訳者あとがき」に補足したつもりである。ちなみに「訳者あとがき」は9月1日に脱稿したのだが、それから一月あまりで既に URL の一部が変わるなどこの世界の移り変わりの速さに驚かされた。一方で、文章の本筋に影響はない。そういう文章にするべく力を尽くしたからだ。

上の文章は手直しして、『ウェブログ・ハンドブック』発売後に「『ウェブログ・ハンドブック』ショートエッセイ」として再公開する見込みである。

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