ちょうど渋谷のブックファーストで「映画秘宝」を立ち読みしたのだが、映画『フルメタル・ジャケット』に関する記事が面白かった。
記事内容は主に、原作者グスタフ・ハスフォードにまつわる悲惨な話で、これもまったく知らなかったことなので面白かったのだが、それ以上に認識を新たにしたのは、あの映画に前半における鬼軍曹の壮絶な罵詈雑言、あれが単なる自己目的化したシゴキや苛めなどではなく、実は理に適ったものであるという話。
半ば神の視点で人間を描いたキューブリックが、軍隊組織に恨みを持つ原作者ではなく、R・リー・アーメイの意見を採用したのも納得である。
しかし、おしかけてきた原作者に対し、キューブリックが「この人間とは仕事ができない」とメモを渡して追い払った話は本当かね(直接言えや)。何しろ『シャイニング』のときは原作者のスティーヴン・キングに電話をかけ、いきなり「神を信じるか?」と尋ね、イエスの答えを聞き即座に電話をきったとか(うろ覚え)、逸話にはことかかない人ではあるが。もっともこの話だって本当かどうかは分からない。
で、表題のNHKスペシャルなのだが、『フルメタル・ジャケット』でも歌われていた行進歌は今もあるんだなぁ、というのをまず思った。他にもあの映画を観ていると、イラクにおける兵士について不安を感じたりもした。
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