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「孤独な惑星 -- lonely planet」展

本題とは関係なく(おいおい)、The The の最高傑作『Dusk』のラストを飾る名曲「孤独な惑星」の歌詞が引用されていることに興奮した。

……が、ここでの訳はちょっとニュアンスが違うと思うのね。山形浩生が大嫌いな「さ」の使い方はともかく(笑)、この曲は、「世界を変えられないのなら、まずお前自身を変えてみろ」というマット・ジョンソンの力強い問いかけなわけ。で、リフレインの最後の最後に「でも自分を変えられないなら……じゃあ世界を変えてみたら」という、ユーモアを出したのだと思うのよ。

『Dusk』について山下えりかは「嵐の夜があけ、一筋の光が差し込むまで」と評した。一曲目で「真の自由とは、欲望から自由になること」とものすごいことを正面から宣言し(だって我々にこれ可能か?)、二曲目は死去した弟に捧げる「愛は死よりも強し」というレクイエム……というように、この作品は恐るべき真面目に貫かれている。ふにゃけたユーモアという名の逃げは一切なし。まさしく全編ガチンコ勝負。嵐の夜。

しかし、解放感に満ちた「孤独な惑星」が、一筋の光になる。そして前述の最後のふっと力が抜けるユーモアに聞き手はほっとする。そして最後に歌われる言葉とともに青空が広がるのだ。

世界は大きすぎ、人生は短すぎる。独りで生きるには

盛り上がるねぇ。The The について文章を書いてから四年近くになるんやねー。

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