ワタシがウェブサイトを始めた五年前は、ちょうどオープンソース運動の盛り上がりと重なっており、ワタシも随分そっち関係の雑文を訳させてもらった。そうして自分の文章のリフレクトするのがとても楽しかった。
あれから五年、本業で Linux に関わっていたりするが、逆にそれ関係の雑文を訳すことがなくなった。最近その方面にあまり面白みを感じないのである。Wiki やらウェブログやらに関わっているほうが楽しかった(これも過去形)のである。しかしそちらの仕事にしても考え方の根っこにオープン性というのは常にあり、その点について一貫していると思う。
そうした意味で、『The Success of Open Source』は、esr の「伽藍とバザール」に影響を受けまくった人間として、そこに立ち返り、そこから先に進む助けになればと思う。書評にもあるとおり著者は技術者ではなく、そうした人にありがちな地雷を踏んでそうなところも面白そうだ(笑)。ちょうど「オープンソースを研究する」という文章も出ているが、オープンソース、並びにその開発手法がどの程度他の分野に応用可能なのかといったことはもっとちゃんと研究がなされるべきだと思う。
あとこれも書いておかないといけないのだが、Slashdot のブックレビューには他にも訳したい本が挙がっており、そちらにしようかなとも思ったのだが、今回のを選んだのは、書評を書いている Joshua Daniel Franklin 君が、Creative Commons ライセンス指定していたからだ。いちいち許可を取らなくても大手を振って翻訳を公開できるのはありがたいことである。訳文も原文にならって帰属ライセンスをつけさせてもらった。