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ひみつの花園

DVDジャケット


スウィングガールズ』の感想をはてなキーワードから辿って読んでいたとき(前にも書いたが、こういうとき便利ですな)、「『ひみつの花園』の頃の笑いが戻っていた」といった矢口史靖の旧作についての言及をいくつか目にし、また主演がワタシが好きな西田尚美だったので観てみた。紛れもなく矢口史靖の映画だった(当たり前か)。

雑誌記事がパラパラマンガになる場面などこの監督らしい才気を感じるし、『スウィングガールズ』でも顕著な思い切りのよいマンガ的な省略が多用され、テンポ良く話が進む映画である。が、いくらなんでもこの映画での省略の仕方(特に後半)は横着の部類に入ると思う。どの作品も同じだと言われることもある矢口史靖であるが、本作と比べると『スウィングガールズ』は、映像作家として随分辛抱できるようになった監督による映画であることが分かる。

本作の主人公を演じる西田尚美の魅力を賞賛する人が多いが、そうかい? ワタシはむしろ、ここまで徹底してヒロインを美しくなく演じているのに驚いたし、同時に感心もした。

矢口史靖という人は、自分の映画をラブストーリーにしないと固く決めているのか、はじめからラブストーリーを撮る気がないのか、はたまた実は撮ることができないのか、それぞれ少しづつあるのだろうけど、監督の分身に近い江戸川とヒロインが自転車に二人乗りする場面はなんともよかった。

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