深夜にテレビでやってるのを期待せずに何とはなしに見てたら結局最後までみちゃった。主役三人に加え、ジュディ・デイヴィス、スコット・グレン、そして若手ではローラ・リニーと芸達者が揃った映画なので不思議ではないのだが。しかしこの映画でのジュディ・デイヴィスの因業ババアぶりは、『裸のランチ』などのイメージを見事に打ち砕いてくれる。
物語の展開といい主人公以外の人物造型といい脚本には難があると思う。ここまでヘナヘナだと、そのしょうもなさが実は意図的なもので、本作のストーリーには当時のクリントン大統領への揶揄という監督・主演だけでなく製作も務めたクリント・イーストウッドらしい政治的意図が含まれており……などとつまらん深読みをしてしまいそうになるが、そんなこと考えなくても、近年のイーストウッド主演映画の定番である「ワシもすっかり老いてしまったのじゃよ。でも、ヒーロー演じちゃうもんね」パターンの一つとして、例えば『スペース・カウボーイ』の鉄板さは望むべくもないものの、そこそこ楽しめます。
あと本作を観て個人的にツボだったのが、『24』のパーマー大統領(元)夫妻が、二人とも出演していること。夫婦役ではないけど。
しかし、パーマー君もシークレットサービスから大統領になるとはものすごい出世だな(だから違うって!)