当ブログは YAMDAS Project の更新履歴ページです。2019年よりはてなブログに移転しました。

Twitter はてなアンテナに追加 Feedlyに登録 RSS

ロバート・デ・ニーロ、『タクシードライバー』続編に意欲?

はじめこのニュースを聞いたときには冗談だろと取り合わなかったが、いくつも見かけるにつけ、まさかデ・ニーロやスコセッシは本気じゃないだろうかと真剣に不安を覚えるようになった。

『タクシードライバー』を観て、何かしら思うところのあった人なら誰でも同意するだろうが、絶対に止めてほしい。冗談じゃない。一体あの映画にどんな続編がありうるというのか。

デ・ニーロやスコセッシが一番そのことを承知しているだろうに。デ・ニーロは「アクターズ・スタジオ・インタビュー」に出た際、あの映画の "You talkin' to me?" をやってくれという司会者の申し出に対し、「それはできない」ときっぱりと断ったじゃないか。スコセッシにしてもインタビューで、「あれは自分の映画ではない。(脚本の)ポール・シュレイダーの映画だ」とまで語っていたじゃないか。確かにあの映画は、主人公トラヴィスにも劣らぬ精神状態だったシュレイダーなくして考えられない。それにあの映画の役柄のせいでジョン・ヒンクリーという負債を抱え込むことになったジョディ・フォスターが出るわけはないし……何をどう考えても映画になる見込みがもてないのだが。

もっとも名作の続編の噂は常に話題にのぼるもので、これもその一つだと思いたい。以前定期的に取り沙汰されたのは『卒業』で、それを逆手に取ったのがロバート・アルトマンの復活作『ザ・プレイヤー』である。あの映画の冒頭の、主要な登場人物を一通り紹介した上に、アラン・ルドルフがスコセッシに間違われるなどのくすぐりまである8分6秒の長回しの中で、脚本家が主人公である映画会社の重役に『卒業』の続編のアイデアを熱心に売り込む場面がある。その脚本家は、『卒業』の脚本を務めたバック・ヘンリー本人で、台詞はすべてアドリブだったそうだ。

[YAMDAS Projectトップページ]


クリエイティブ・コモンズ・ライセンス
YAMDAS現更新履歴のテキストは、クリエイティブ・コモンズ 表示 - 非営利 - 継承 4.0 国際 ライセンスの下に提供されています。

Copyright (c) 2003-2023 yomoyomo (E-mail: ymgrtq at yamdas dot org)