先日少し触れた安吾の件の続き。今年は没後五十年なのだが、来年は生誕百周年であるのを27日の日経新聞を読んで知った。
となると来年元旦の安吾作品の青空文庫入りは、それを祝う素晴らしいイベントになるはずである。もちろん以前よりワタシも著作権保護期間の70年延長に反対だったが、その想いを強くしたのであった。
坂口安吾も、没後しばらくは全般的に過小評価されていた。奥野健男の『坂口安吾』に以下のような話がある。
檀一雄と共に安吾全集の刊行を頼むため、いくつかの大出版社を訪ね歩き、編集者からは賛同を得ながら結局は「編集会議の結果残念ですが」とどこの出版社からも断わられた。中小出版社であるが冬樹社での刊行が決まったとき、外に出て檀一雄と思わず万歳を叫んだものだ。(363ページ)