YouTube に著作権問題があり、これからそれに関する軋轢が強まることは間違いないわけだが、一方で suchi さんが書かれるように、「なんとなくこれは見逃しておこう」という引き出しに入れられてる、というのは正直ワタシも思うことだ。
さて、上でリンクした suchi today のエントリのコメント欄で、Neil Young の "Touch the Night" のビデオが触れられている。実は以前ワタシもこれを YouTube で探したことがあり、そのときはなかったのだが今月になって登録されている。ピーター・バラカンの『ミュージック捜査線』(asin:4101157227)で紹介されているのを読んで以来、これ観たかったんだよね。
事故現場を撮影したドキュメンタリー風のつくりで、七三分のテレビリポーターがいきなり歌い出し、そいつがニール・ヤングだと気付くところが笑いどころなのだが、その後もゴスペル合唱隊が笑えるね。
ニール・ヤングは "This Note's For You" で1988年の MTV アウォードも受賞しているが、この時代の作品は語られることは少ない。映画『華氏911』のエンディングでも使われている "Rockin' in the Free World" で復活するまで、彼は低迷期にあったとされる。彼のギターと震える声のかわりにテクノサウンドとヴォコーダがフィーチャーされる『Trans』(asin:B000024R1I)を筆頭に不可解な作品が多く、在籍していたレコード会社のゲフィンから「意図的に売れない作品を作っている」と訴えられたくらいだ。
ニール本人は当時の作品を悪く言うのを拒んでおり、『Trans』にしても後に『Unplugged』(asin:B000002MKM)で "Transformer Man" を普通に演奏したら名曲であることが証明され、ファンは再び彼に呆れたものである。
そうした目で "Touch the Night" のビデオを観ると、彼の目に昔と変わらぬ狂気が宿っているように思え楽しい。