いや、知らないでも何に困ることはないわけで、ワタシ自身読んだことがないわけですが。敬愛する桑原茂一さんが携わっていたことくらいしか知らない。『日本ロック雑誌クロニクル』という本に詳しいらしいが、残念ながら未読である。
- 作者: 篠原章
- 出版社/メーカー: 太田出版
- 発売日: 2004/12
- メディア: 単行本
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なぜ読んだこともない雑誌のことを取り上げるかというと、少し前に中国版ローリング・ストーン誌創刊のニュースを聞き、そういえば『ローリング・ストーン』日本版の表紙画像を昔数枚もらったことがあったなと思い出したからである。
以下の画像は、五年以上前に公開したことがあるのだが、当時からの読者なんて15名いるかどうかだろうし、折角なので再公開させてもらおう。1973〜74年ということは、まさにワタシが生まれた頃に刊行されていたのですな。
1974年9月号 volume13
表紙はジェームス・ディーン。「われ反抗するゆえにわれら有り」という文句が泣かせるのだが、その後の「恐るべき番長組織」という文句は何度読んでも椅子落ちである。エリック・クラプトンが「不死身の天才ギタリスト」というのは、『461 Ocean Boulevard』(asin:B000002G89)での復活を指しているのだろうな。
1973年12月号 volume4
表紙はアート・ガーファンクルということで、地味である。特に語ることはない……と書くと失礼なわけだが、30年以上前は彼もピンで表紙を張るほどブイブイ言わせていたのである。現在では短期間に二度もマリファナ所持でつかまり、しかも警官も彼のことを知らなかったという悲しいことになっている。
1974年8月号 volume12
表紙はカーペンターズ。ワタシにとってのカーペンターズとはやはり天才的歌い手としてのカレンなのである。この表紙にも書かれている「笑顔と甘い歌声」を体現し、「白人よりも白い」と揶揄されたポップイコンとしてのカレン。おお、カレン。そのパブリックイメージとは裏腹に、「兄に比べれば自分は太っていて醜い」とドラムキットに隠れるように歌っていたコンプレックスの塊としてのカレン。ああ、カレン。兄を男性として愛し、兄の恋愛を邪魔し、兄を神経衰弱にまで追い込み、しまいには内輪で兄と結婚式を挙げる(これホント)ところまで兄を愛したフリークスとしてのカレン。精神的な平衡を失い、拒食症にその身体を蝕まれ、最後になって母親に「わたしだけのママになって」とようやく本音をぶちまけ、むさぼるように食べ始めたもののその数日後におっ死んでしまった話が「知ってるつもり」でなぜか感動話として取り上げられていたカレン。ああ、カレン、君は何てロックなんだ! 君はどうしても「スーパースター」の「あなたとまた寝るのが待ち遠しい」という歌詞を歌うことができなかったけど、君はその頃から既に病んでいたのだね。ああそうだ、僕だって病んでいる。みんな病んでいるんだ!
……えーっと、五年前ワタシは↑のような文章を書いていたのだが、悪霊に憑かれていたんでしょうか(笑)。それはともかく、1974年というと徐々に人気が落ちていった頃ですな。
順序が間違っているが、Rolling Stone そのものの情報については公式サイト、並びに Wikipedia のエントリを参照あれ。Rolling Stone についての本で翻訳されているのは、ヤン・ウェナーがいかにろくでもない金の亡者かを舌鋒鋭く描いた『ローリング・ストーン風雲録』だけだと思う。そのヤン・ウェナーを肯定的に捉える渋谷陽一が解説を書いている。
ローリング・ストーン風雲録―アメリカ最高のロック・マガジンと若者文化の軌跡
- 作者: ロバートドレイパー,Robert Draper,林田ひめじ
- 出版社/メーカー: 早川書房
- 発売日: 1994/09
- メディア: 単行本
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あと忘れてはならないのが、映画『あの頃ペニー・レインと』か。Rolling Stone のライターだったキャメロン・クロウの自伝的作品で、ぬるい映画ではあるが、今年アカデミー主演男優賞を受賞した我らがシーマンことフィリップ・シーモア・ホフマン演じるロック評論家のレスター・バングスが良かった。ウェナーも確かカメオ出演していたんじゃなかったかな。
- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズ エンタテインメント
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