これはすごい。プロジェクト杉田玄白にドストエフスキーの『地下室の手記』が登録されている。
これを翻訳された方の仕事は、以前にもジョイスの短編を紹介しているが、中編とはいえドストエフスキーの小説の完訳は大変だったろう。
『地下室の手記』は、ワタシが初めて読んだドストエフスキーの小説で、大学時代の福岡の友人を訪ね、実家に帰るまで電車の中で読む本として買ったのを覚えている。これぐらいの長さなら大丈夫だろうと思ったのだが、甘かった(笑)
しかし、この本に「執拗」なんて言葉が軽く思えるぐらいな辛辣さで書きこまれる主人公の自意識は、当時のワタシにはとても近しく感じられ、大学時代彼の五大長編の三つをむさぼり読むことになったわけである。
- 作者: ドストエフスキー,江川卓
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 1970/01/01
- メディア: 文庫
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