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モンティ・パイソン・レアリティーズ コレクターズBOX

モンティ・パイソン・レアリティーズ コレクターズBOX (初回限定生産) [DVD]

モンティ・パイソン・レアリティーズ コレクターズBOX (初回限定生産) [DVD]

先週、Joel on Software の「Javaスクールの危険」が翻訳されて話題になった。この中でモンティ・パイソンFour Yorkshiremen スケッチが引用されており、モンティ・パイソンとハッカー文化の関係に思いを馳せてしまうが、Joel Spolsky はらしからぬ凡ミスをしている。Four Yorkshiremen スケッチはテレビ番組『空飛ぶモンティ・パイソン』で披露されたことはないのだ。

本 DVD はモンティ・パイソン名義になっているが、パイソン結成前にメンバーが携わった二つのテレビ番組を収録したものである。

一つはジョン・クリーズグレアム・チャップマン(ちょっとだけエリック・アイドルも登場)による『At Last The 1948 Show』、もう一つはエリック・アイドルマイケル・ペイリンテリー・ジョーンズによる『Do Not Adjust Your Set』である。残るもう一人のパイソンズであるテリー・ギリアムも後者に参加しているが、本 DVD に収められた回には彼の仕事は入っていない。

番組のマスターテープが残っている回が全部でないとか、何より全編白黒なのに時代を感じてしまうが、プレパイソンの番組は『How to Irritate People』しか見たことがなかったので、「『At Last The 1948 Show』は DVD 一枚に収まるのに水増ししてないか?」とか思いつつもこの DVD 四枚組はありがたい。『空飛ぶモンティ・パイソン』すら絶版だった頃を思えば天国だ。

これを観ると若々しいパイソンズの姿に感激するとともに、この段階で彼らのコメディーの方向性が大体定まっていたことが分かる。それは『At Last The 1948 Show』のほうが顕著で、例えば冒頭に挙げた Four Yorkshiremen スケッチはこの番組で初めて披露されたもので、この時点で完成していた(1948バージョンもパイソンバージョンも YouTube で動画が観れるので興味がある人は検索してみてください)。

一方『Do Not Adjust Your Set』は、完成度は少しだけ落ちるが、その分 The Bonzo Dog Doo-Dah Bandコミックソングがとてもチャーミング。子ども向け番組として制作されたが、再放送を観るために職場から早退する人が増えたという話もさもありなん。今の目で観ると、この番組における人気コーナー Captain Fantastic はつまんないのだが、テリー・ジョーンズの解説を聞くとその理由が分かる。

やはりあの6人が揃い、シュールでマジカルなコメディが完成するのは必然だったのだ。

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