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そもそもどうして「識者コメント」に応じるのだろう、もしくはワタシがモヒカンだったあの日

オリコン烏賀陽弘道氏に対して高額訴訟を起こした件が話題になっている。とりあえずまとめエントリをリンクしておくので、まだご存知なかった方はリンクを辿っていただきたい。

まったくひどい話で、オリコン自身この訴訟が「訴権の濫用」であるのを半ば認めているのがなんとも。何度も書いているように、ワタシ自身烏賀陽さんの『Jポップとは何か―巨大化する音楽産業』(asin:400430945X)にはいろいろお世話になったので、カンパとかやるなら協力するつもりだ。

さて……ここまではよいとして、他の多くの人と同じことを書いても仕方ない。以前から疑問に思っていることをこの件で再認識したのでちょっと書いておきたい。

それはどうして「識者コメント」なんかに応じるのだろうという根本的な疑問である。

今回のサイゾーの記事にしても、烏賀陽弘道氏は掲載されたコメントの内容が、「烏賀陽の原義とはかなり隔たってい」ることを認めている。そして、そういう話って昔からずーーーっと続いてるよね? 専門家だから、この問題に詳しいからと記者にコメントを求められて答えたら、内容が歪められて新聞や雑誌に掲載されたとか、ひどいのになると言ってもいないことを掲載されたという奴である。記者がちゃんと記事にしてもデスクの解釈で捏造されるという裏技(?)もあるらしいし。

そういうのを身近に聞くとひどい話だなぁと思うのだが、その人にしても過去にいくらでもそういう例があることを知っていたはずである。それなのにどうしてコメント依頼を受けるのだろう。

昔の筒井康隆のエッセイで「コメント料」の話を読んだ覚えがあるが、それがものすごく高額なわけもなかろう(多分)。一方で論旨を歪められて損をするのはその「識者」自身なのだ(高額訴訟を起こされる可能性もある!)。物書きの場合は記事に協力することで、その媒体と友好関係を保つというのが一番の理由ではないかと推測するが、それ以外の職業だと何でだろう。自己顕示欲と書くと怒られそうなので、専門家としての使命感に違いない! と書いておきますが。

もうみんな「識者コメント」とか拒否して、代わりに短くてもいいから直接記事を書かせろと言えばいいのに。もちろんこれが無茶な話なのは承知しているが。

さて、「識者コメント」ではないが、実は場末の雑文書きであるワタシにも大通信社から話を聞かせてくれという依頼が来たことが一度ある。

その件をネタにさせてもらったのが「実例に学ぶビジネスメールの注意点」という文章である。

いわゆるモヒカン族の中に当方も含められることがたまさかある。ワタシ自身は自分のことをそうした種類の人間だとはまったく思わないが、この文章は例外的にそういうテイストが出ていると思う。

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