Digg で知った記事だが、Noriko Manabe という方が『硫黄島からの手紙』に対して、その日本での受容のされ方を踏まえながら批判を投稿している。
あの映画はこれまでのアメリカ映画と比べて驚くほど日本をまともに描いていたと思ったが、それも飽くまで比較論であり、細部に目をやればおかしなところはいくらでも出てくる。しかし、それを言うなら太平洋戦争を描いた邦画にもおかしなのはボロボロあるわけで、もちろんこれを書いた Noriko Manabe さんもそうした細部だけをもってこの映画を批判しているわけではない。
The greatest concern is that the film fails to explain why the Japanese felt the need to defend a seemingly insignificant island so fervently - the fear that the firebombing of Japanese cities, already devastating to civilians, would intensify were the Americans to gain Iwo Jima as a launching pad for air strikes.
というこの方の懸念は、大学教授を名乗る人の脊髄反射コメントを読むと伝わっていないようで残念だが、これは確かにアメリカ人には実感しにくい、しかし当然ながら重要なポイントなのだろう。
なお、『硫黄島からの手紙』の史実的な間違いについては、加藤弘一氏の評が詳しい。ワタシは「アメリカ的な視点で描かれた映画」というのを認めた上であの映画を評価するけどね。