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Everything was beautiful, and nothing hurt


気ちがいじみた考えが、ビリーの頭に浮かんだ。そこにある真実は彼を驚かせた。それはビリー・ピルグリムにふさわしい墓碑銘となるにちがいない――また、わたしにとっても。

以前にも書いているが、カート・ヴォネガットの『スローターハウス5』は、ワタシにとってレイモンド・チャンドラーの『長いお別れ』や色川武大の『狂人日記』に匹敵する特別な作品である。

ヴォネガットが既に80台半ばなのに気づいたとき、彼が死んだら悲しいだろうなと思った。その彼が死んだ。とても悲しかった。そういうものだ。

上の挿絵を見直したときはちょっと泣きそうになった。

「何もかもが美しく、傷つけるものはなかった」

そうあってほしい。さようなら、カート・ヴォネガット

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