WIRED VISION で始まった小島寛之のブログ「環境と経済と幸福の関係」の『不況のメカニズム』は、いかにすごい本かというエントリの、本題から逸れたところがすごく気になった。
それで思い出したが、ぼくの中学時代の友人で、その後プロ棋士になったやつがいた。彼が書いた定跡書を献本してくれたとき、彼はぼくに「君には一生わからないから読まなくていいよ」といった。全く口の悪いやつだが、親切心でそういってくれたのだ。
このプロ棋士って誰のことなんだろうか。勝手に将棋トピックスが更新を休止してから、将棋とネットを結ぶハブがなくなった感じである。
ぼく自身は、彼がプロの道に進んだこともあって、将棋には昔からミーハー的興味を持ち、ずっと鑑賞し続けてきた。谷川や羽生や佐藤や渡辺の将棋について、一晩でも熱くしゃべる自信がある。全く将棋を指さないが、「ごきげん中飛車」だとか「角代わり」だとかあーだこーだいうことはできる。ではあるが、確かに彼の定跡書については、その真価をぜんぜん理解できなかった。将棋の定跡書としては異例に売れた画期的な内容の本らしいのだが、ぼくにはどこが「すごい」のかちっともわからなかった。
ヘンな連想だが、これを読んで id:catfrog さんの梅田望夫の唯一の功績は「将棋」という身も蓋もない文章を思い出した。さらに進んで、将棋がネット技術者の素養となり、「将棋がその程度なヤツにサービスは任せられない」なんて言われる日が来るのを夢想するのだけど無理かねぇ。