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確かに日本人は金だけのために働かない。しかし、それで見くびられるのは不愉快だ

話の対象となるレベルが違うので二つ並べて語るのはいけないのかもしれないが、いずれもお金では釣ろうとしても、それがそのまま労働意欲につながらない話である。

ソニー CEO のハワード・ストリンガー氏はそれを揶揄したいようだが、給料の額で一喜一憂しなくてよいほど豊かになり仕事に取り組めることのどこがいけないのか。

ただ重役クラスでなしに一般社員の話としては、太田肇同志社大学教授が語る成果主義の失敗が大きいだろう。

ここでは「成果主義で得をしたのは役員だけ」で、役員と一般の社員の格差が拡大しているという話が出ている。これを上の記事にあてはめると、役員はもう十分報酬を得ているので金銭的報酬は効果が上がらず、一般社員は成果主義の査定が正しく機能しない失望から金銭的報酬に期待しない、という推論が浮かぶのだが、これが真相だったら悲しい。

しかし、この日経ものづくりの記事に限らないが、成果主義の目的が賃金抑制という話は、それこそ2001年に刊行された内田研二『成果主義と人事評価』などで既にはっきり指摘されている。今更それを発見みたいに書かれてもねぇ。

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