こないだトニー・ウィルソンが腎臓癌で闘病中であることを書いたばかりなのだが、id:nofrills さんより彼が死去したことをコメントで教えていただいた。
まさかこんなに早く逝ってしまうなんて思ってなかったので、何か力が抜けた感じである。
実はちょうど、マンチェスターから生まれたキラ星のような名曲で彩られた(トニー・ウィルソンも出演している)テレビドラマ Manchester Passion(Wikipedia)の動画を YouTube で探したばかりだったが、これも何かの因縁だろうか。
イエス役が歌う James の "Sit Down" が素晴らしいのだが、これの原曲を歌っていたティム・ブースが、このドラマでスミスの "Heaven Knows I'm Miserable Now" を歌っているハゲと同一人物とは、事前知識がなければワタシも気付かなかっただろう。
これはオーディエンスが撮影した動画だが、"I Am The Resurrection" も少しだけ聴ける。それにしてもマンチェスターの路上で受難劇を撮影し、それを生放送する国営放送ってすごいよな。
Manchester Passion にはトニー・ウィルソンだけでなくかのベズも出演しているが、YouTube で再結成ハッピー・マンデーズをトニー・ウィルソンが紹介する動画を見つけた。
杖をつきながらの登場で、明らかに身体の具合が悪いのが分かるが、声を絞り出してハピマンを称える姿は、今見るとやはりぐっとくる。
映画『24アワー・パーティ・ピープル』のラスト、トニー・ウィルソンの前に神が現れる場面だが、この手法ってモンティ・パイソンの『ホーリー・グレイル』が元祖なんだろうか。
この映画を観るとハッピー・マンデーズの連中がいかにロクデナシだったか、ヴィニー・ライリーがいかに報われなかったかがよく分かる。
ハピマンにはトニー・ウィルソンも随分と煮え湯を飲まされたわけだが、一方でトニー・ウィルソンを嫌った人間もたくさんいるだろう。でも、皆、ストーン・ローゼズが "I Am The Resurrection" で歌うように、"I couldn't ever bring myself to hate you as I'd like" と彼のことを思っているんじゃないかな。
おそらく生前最後のテレビ出演と思われる。新薬スーテントについて語っているが、力のない声と曲がった背中がただただ悲しい。
みんな死んでしまうんだなぁ……
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追記:これを書いた後で気付いたが、id:nofrills さんがトニー・ウィルソンのキーワードを充実したものにし、ワタシのよりも的確な追悼エントリを書いていた。