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ブギーナイツ

ブギーナイツ [DVD]

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本屋で麻生久美子さんの表紙にふらふらと釣られて手に取った映画秘宝9月号(asin:B000SQLIHU)の「トラジコメディ傑作20選」てな企画の中で、『アマデウス』、『ファーゴ』、『誘う女』、『アメリカン・ビューティ』、『ベティ・サイズモア』などワタシが大好きな映画の数々と並び本作の名前があり、そういえば前から観ようと思いながら観てなかったな、とこれを機に借りてみた。

ポール・トーマス・アンダーソン監督の映画を観るのは、『マグノリア』(asin:B000FI9P5S)に続き二本目だが、たいしたものを作ってやろうと真面目くさって大上段に構えた『マグノリア』より本作のほうがワタシは好きである。

話の筋としては、チンコの力でポルノ業界をのしあがったボンクラ男の隆盛と凋落であり、そうした話で予想できる要素は大方詰まった映画なわけだが、長回しを多用した流麗なカメラワーク、70年代のディスコと80年代の薄っぺらなポップを再現する音楽、そして何よりバート・レイノルズドン・チードルウィリアム・H・メイシーフィリップ・シーモア・ホフマンといった脇を固める見事な演技陣(最後の二人は特に「らしい」役をやっている)が相俟り、印象的な作品に仕上がっている。

主役のマーク・ウォールバーグも野性味を感じさせる熱演ながらも、どこかのっぺりとして白地のキャンバスを思わせるアクの薄さがあり、本作の主演に適任だった。

主人公の転落を描くのに銃のドンパチというのはいささか陳腐だし(しかも本作の銃弾の命中率の高さはちょっとね)、結局のところバート・レイノルズ演じる映画監督だけ結局最後まで成功者の側というのはどうなんだ、とか疑問点がないわけではないが、最後になって登場人物に対する温かな視座を感じたのが良かった……のだが、当方の感想と完全に正反対の意見を表明している人もいて、このあたりの感じ方で本作の評価が分かれるのかなと思った。

それにしても本作のラストは、あのチンコの情けなさこそが重要なわけで、あれにモザイクを入れちゃつくづく台無し文字コードShift_JIS に変更して読もう)である。

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