- 出版社/メーカー: ファーストトレーディング
- 発売日: 2006/12/14
- メディア: DVD
- 購入: 1人 クリック: 10回
- この商品を含むブログ (34件) を見る
ドラマ『24』の最大の特徴として経過時間の通りにドラマが進行していくことが挙げられ、そうした演出の先駆としてヒッチコックの『ロープ』などが引き合いに出される。が、実際に観た人は実は多くない。ワタシもそうだったのでレンタルしてみた。
元々が舞台劇なようだが、マンションの一室ですべての物語が展開し、しかも1リール1カットでカメラ割りがまったくないカメラワークがヒッチコックらしい。台所の引き出しにロープを落とすブランドンとドアのカットなど印象的だし、徐々に暗くなっていく背景もきれい。
本作は超人思想にかぶれたレオポルドとローブの事件に材をとったもので、殺人のみならずそれをパーティの招待客に誇示しようとする大胆不敵なブランドンととても冷静ではいられないフィリップの対比が良くて飽きさせない。
ただこの犯人二人、そしてジェームズ・スチュワート演じる教授の三人の同性愛という本作の裏テーマが時代背景もあって活かされておらず(40年以上前の映画だから仕方ないけど)、あと一歩妖しく迫る感じがない。そして最後にジェームズ・スチュワートが本作のタイトルにもなっているロープを取り出すわけだが、これがちょっととってつけた感じなのが惜しかった。