ポリース(笑)
行って来ました、大阪公演。
深町秋生さんが「素直になれない興行」について書いているが、そうした意味で、最高で3万円なポリスはブルジョアだよな。
もちろんワタシは3万円の席ではない。アリーナの25列目で近いじゃんと盛り上がったが、一番端だった(笑)
アルバムに駄作が一枚もなく、最高傑作を出した人気絶頂期に無期限活動停止という完璧すぎるキャリアを持つバンドの集金ツアーというのもアレだが、もちろんワタシはそれでもオッケーだ。
ただ中学三年生のときに『白いレガッタ』の中古レコードを買い、翌年オーディオシステムを新調したときに初めて買った CD が彼らのシングルスだった当方としては、阿部寛を20歳老けさせたような眼鏡爺になってしまったスチュワート・コープランドを観て不安になったし、アンディ・サマーズは外見は若々しいが65歳である(ミック・ジャガー、ジョージ・ハリスン、クラプトンなどより上)。本当に3人だけで大丈夫かと心配だった。
京セラドームに来るのははじめてだが、「ジャンプ禁止」って間抜けだよな。事情は知ってるけど。
スティングの息子(なぜか日本語のMCが妙にうまい)のバンドの前座の後、ほぼオンタイムでライブが始まる。
一曲目の「孤独のメッセージ」は、前座バンドのときより音が悪くてどうなるかと思ったが、スチュワート・コープランドのスコーンと抜けのいいドラムとアンディ・サマーズのキレのあるギターは健在で、結論を書かせてもらえば事前の予想に反した、掛け値なしに素晴らしいライブだった。
ただスティングの声は明らかに衰えており、声がタメがなくなり、1オクターブ下げて歌うところが多々あり(アンコールはちゃんとハイトーンが出ていたけど)、あまり機嫌良さそうではなかったが、その分この三人のコンビネーションの妙を味わえた。サポートメンバーを入れなかったのは正解だった。
息子と対照的に MC はほとんどなく、曲間も短くとにかくタイトだった。アンコールの 「So Lonely」から「見つめていたい」の展開に、分かっていても盛り上がりこれで終わりかと思いきや、なぜかアンディ・サマーズだけがステージに残って……という演出には笑ってしまった。
オリジナルではちょっとヘタレな感じの "So Lonely" のギターソロが素晴らしく、65歳の爺さんのテクにイカされてしまった。
ヒット曲はほぼすべてやりつくしながら全体で二時間弱のセットで、このクールさ、タイトさ、さらに書けばスティングの人間的な冷たさ、性格の悪さが所作に垣間見れたのが良かった(ヘンな表現だが)。まさに時間を忘れて楽しませてもらった。
あと関係ないが、大阪で撮った写真をいくつか。
御堂筋線の車中から撮影。そういえば、「地下鉄が常に地下を走っているとは限らない」というのを知ったのは、御堂筋線でだった。
宿は梅田に取ったのだが、異様にオッサンが多い。はたと近くに場外馬券売り場があるのを思い出した。「ハイボール」がいいね!
競馬に興じる方々。上の居酒屋もそうだが、このあたり飲食店が多くて、ライブの後に飯が食えるなと踏んでいたら、軒並みしまっていて参った。