梅田望夫さんの『シリコンバレーから将棋を観る』を読了し、とても良い本だったので読書記録を書くつもりだったが、残念ながら時間切れ。別の本の話をする。
一月近く前に Boing Boing Gadgets で Woman publishes book full of text messages sent to her dead husband's cell phone という Lisa Katayama さんのエントリを読んだ。
これと元ネタの Asia Daily News Online の記事を読むと、兵庫県尼崎に住む Toshiko Fukuda という女性が、夫の死後に彼に対して送り続けた携帯メールが “Tengoku e no Tanshin Funin, Mada Mada Issho ni Itakatta”という本になったという記事である。
著者名の漢字は分からないが、書名は『天国への単身赴任 まだまだ一緒にいたかった』だと思う。
海外向けのニュースになるくらいだからとっくに話題になっているのだろうと「福田 天国への単身赴任」とかいろいろ組み合わせて検索してみたのだが、それに関係する本の情報はおろか、日本語のニュース記事すら見つからなかった。
そのときは調べ方が悪いか、本がまだ出版されてないかと気にしなかったが、さっき調べても結果は同じだった。
そこでちょっとこの本の存在自体を疑いたくなった。本当にそんな本作られたのか?
第一「死んだ夫に送り続けたメールを集めた本」というのが話として出来杉君だし、夫妻とも出版関係でもなさそうなのにどうやって出版社がそのメールのことを知ったのだろう。
ついでに失礼を承知で書かせてもらえば、『天国への単身赴任』というタイトルが個人的には不愉快である。死んだ後も会社人間じゃなきゃいけないわけ?
いや、実際は単にワタシがニュースに疎いだけで、この本は実在するのだろう。海外にニュース配信されるくらいだもの、その存在を疑うなんてワタシは何て性格が悪いんだ。もしかしたら「泣きながら一気に読みました!」な声が続々と寄せられるベストセラーになっているのかもしれない。
読者で御存知の方は、この本についての情報を教えていただけないだろうか。
[追記]:@ken19830327 さんに教えていただいたのだが、問題の記事は大阪読売新聞の4月10日の夕刊に掲載されたもので、H ・U・ N 企画が版元のようである(ただし、問題の本の情報は見つけられなかった)。