インビクタス / 負けざる者たち Blu-ray&DVDセット(初回限定生産)
- 出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ
- 発売日: 2010/07/14
- メディア: Blu-ray
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本作は1990年2月11日(ちょうど20年前だ!)、ネルソン・マンデラ釈放の日に始まる。彼を乗せた車が通る道路を挟んで、片側では白人がラグビーの練習をし、もう片側は黒人の子供たちがサッカーに興じている。
本作は大統領となったネルソン・マンデラが、南アフリカ共和国で開催された1995年のラグビー・ワールドカップを通じて国をひとつにまとめあげようと考え、黒人の国民に嫌われ、アパルトヘイトの象徴とすらみなされていたラグビーチーム「スプリングボクス」が、主将フランソワ・ピナールのもとで奮闘する物語である。
製作総指揮も務めるモーガン・フリーマンが持ち込んだ企画のようだが、確かに妻や娘たちから遠ざけられる悲しさを抱えながらも、国民全員を家族と引き受けようとする大統領としてのマンデラを演じることができるのはフリーマン以外思いつかない(ここでは彼のスキャンダルには触れない方向で…)。彼の元で働く人たち一人一人に挨拶を欠かさない姿が印象的だが、マット・デイモン演じるフランソワ・ピナールとの会見で、具体的な話はしなかったのに、はたと我に返れば、大統領は自分たちにワールドカップでの優勝を望んでいると気付かせるところなど、高い理想を掲げ、他の者に自主的に高みを目指させるリーダーシップのあり方を考えさせられる。
後半はひたすら正攻法というかラグビーを正面からガチに描いていて、スポーツ映画(あるいはラグビー自体)が苦手な人にはお勧めできないが、それでも決勝戦前に白人の警護が見せる晴れやかな表情などちょっとした言葉や表情が良かったりする。
あと気になったのは、本作を観ていてちょっとちぐはぐに思ったところもあって、これはワタシの読解力が足らないことが主だと思うのだけど、予告編でも使われていたマンデラの「評論家の言葉が正しければ、私は今も刑務所の中だ」という言葉が字幕では出てなくて、それはどうよと思った。