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ソニーの定額制音楽配信サービス「Music Unlimited」を契約すべきか考えてみた

ソニーの定額制音楽配信サービス Music Unlimited が日本でもサービス開始した。

かつて Napster Japan のサービス終了に涙した人間として、これはとても気になるニュースである。早速アクセスしてみると、サービスに契約しなくても PC からウェブブラウザ上でアーティスト名で検索してアルバムを聴くことができた(1曲あたり30秒限定)。こうでなくちゃいけない。サービスをちょろっと使ってみた感想など、このサービスの特徴ごとに書かせてもらう。

クラウドベースのストリーミングサービス

スラッシュドットを見ると、手元にデータが残らないことへの文句もあるが、この点についてはワタシ的には問題にならない(一応キャッシュというか、オフラインモードもあるようだ)。

既に所有する CD をリッピングしたり、iTunesJamendo など合法音楽配信サービスからダウンロードした楽曲が PC に十分入っているわけで、ワタシが Music Unlimited で聴きたいのは、これまで聴いたことのない or 手元に音源がないアーティストのアルバムが中心になるからだ。

洋楽を中心に1000万曲を超える楽曲が用意

ワタシは洋楽中心のリスナーなので、この点は問題なし。ためしに頭に浮かんだマイナーめのアーティスト名(例えば、Frankie Miller、James Carr、Louis Philippe など)を検索したところ、主要なアルバムは大体入っていて、これについては Napster よりも充実している印象だった。

邦楽も聴かないわけではないので、こちらも充実しているに越したことはないのだが、はなから諦めているところもある。SONYのサービスなのにSONY系レーベル楽曲が探した限り全く見当たらないというお約束の渾身のギャグにはため息が出るが、これについて文句は言うまい。

Android端末やPlayStationなどマルチデバイス対応

これは Android 携帯も PlayStation など持たないワタシには関係ない。一方で iPhone には近日対応予定とのことだが、こちらもワタシには実は重要ではない。普段外出時は iPhone に入っている曲をシャッフルして聴いており、それで十分満足だからだ。

結局、ワタシがこのサービスを利用するのは、半引きこもりなワタシが PC で作業中のときに限られるわけだ。専用アプリをインストールする必要があった Napster よりもブラウザベースのこちらのほうが手軽ではあるが、一方でいくつもタブを開いた状態で作業するのが普通なワタシ的には、あるタブが固まったりするのが影響しないか不安なところもある。

ワタシが現在常用しているブラウザは Firefox だが、ちょっと触っただけでは操作に強い不満は感じなかった。

HE-AAC 48kbpsエンコード

どのデバイスを使用してもストリーミングは HE-AAC 48kbpsエンコードとのことで、これだけ見ると貧相だが、実際に PC 上で聴く限り、少し細い感じの音に聴こえるが、不快な感じはまったくしなかった。元々 PC で聴いている時点で理想のオーディオ環境など諦めているわけで、こんなものではないか。

パーソナライズ機能

正直、これについてはなんとも言えない。ワタシの Music Unlimited の聴き方が、今まで聴いてなかったアルバムを思い出したら検索してみる、名前を小耳に挟んだバンドの名前を検索してみる、というように能動的なもので、そのデータからそのままワタシの好みは割り出せないと思うので(既存の好みは iTunes 側に入っているということ)。

一方でパーソナライズやチャンネル機能ばかり宣伝されるものだから、飽くまで「アルバム」を単位とするワタシのような旧弊な人間は、ていうかアルバム単位でちゃんと聴けるのかよと不安になったくらいだが、それについては問題なかった。まぁ、適当に「70年代のロックを BGM にしたい」とか思うときもあるだろうし、そうしたときにはチャンネル機能も良いものだろう。

30日間1480円定額

問題はこれである。Napster でワタシが加入していたのとほぼ同一の料金である。Napster サービス終了直後なら、泣いて喜んで加入していただろう。

しかし……これ米国ではおよそ10ドルで提供しているサービスだよね。1ドル80円とすると800円、まぁ、いろいろあるだろうが、せめて月1200円以下でないとどうかと思う。

Napster 時代は、輸入盤の新譜1枚の値段で聴き放題なら文句なし、と思っていた。今もその気持ちに変わりないが、円高とデフレもあり、その輸入盤の新譜1枚の値段も下がってると思うのよね。

しかも現在は Spotify がある。個人的にはこれが現時点で、ワタシが訳した『デジタル音楽の行方』が説く「水のような音楽」に最も近いサービスだと思う。しかし、その Spotify だって安泰ではない。そのあたりの動きについては jay kogami's posterous なんかが詳しいが、とにかく Spotify を知ってしまうと二の足を踏むところはあるのよね。早く日本でもサービスを開始しないものか(ちなみに日本から Spotify や Rhapsody と契約する方法はあるのだろうが、ワタシはそういう手段は使わない主義)。

結局のところ、ワタシのケチの血が騒いでしまい、まだ契約にいたっていないが、折角だからと30日無料体験に申し込もうとしたら、無料なのにクレジットカードの情報を要求され、そこで過去の個人情報流出事件の記憶が頭をよぎり、また躊躇してしまった。それになぁ、例の違法ダウンロード刑事罰化について日本のレコード業界が強力なロビー活動をした話を知ると、筋違いだろうが何かひっかかるものを感じるんだよね。うーむ……

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