- 出版社/メーカー: 角川映画
- 発売日: 2009/11/20
- メディア: DVD
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エドワード・ノートンとフィリップ・シーモア・ホフマンというワタシが好きな俳優が二人出ているので公開当時から観ようと思いながら今まで何故か観ていなかった。
本作は、ノートン演じるヤクの売人が警察にあげられ、収監される前日、娑婆で過ごす最後の一日を描いた映画である。設定から想像されるドンパチなど派手な展開はほとんどなく、主人公の運命の一日に過去が交錯する形で描かれるので落ち着いて見れる。
やはりこの一日が主人公にとってどのような意味を持つのか、ホームであるニューヨークを離れムショに入るということの決定的な意味を切実に感じないと本作はよく分からないのだろう。上映時間は135分とかなり長いのだけど、主人公の旧友二人が抱えている痛みというか後悔が今一歩切実に伝わってこなかった。それがあるともっとよかったと思うのだけど。エンディングがああした形なのは予想外だったが、あのモノローグはじわじわくるものがあった。
原作自体は2001年9月11日のアメリカ同時多発テロ事件前に書かれたものだが、本作の監督であるスパイク・リーにとって9.11後のニューヨークを組み込むことは不可避だったのだろう。あれから10年経って本作を観ると、その必然性は物語の設定上とってつけたように登場人物たちに見下ろされるグラウンド・ゼロの映像よりも、父親と昼食を取る主人公がトイレで全方位的に猛烈な悪態をつく場面のほうに感じた。