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贖罪

湊かなえの小説を黒沢清が映像化し、WOWOW で放映されたものである。『告白』同様、湊かなえの原作は読んでいないので、そちらとの比較はできない。

ワタシにとって黒沢清は必ずしも相性が良くない映像作家なのだが、これは良かった。

ただ、小学生とはいえ4人いて、目の前で同級生を連れて行った男の顔を思い出せないという基本設定に無理があるというか(原作における理由づけは知らないが)、逆光のカットを入れるとかもう少し何とかできなかったのか。あと小泉今日子がもっと本格的に狂った演技をするのかと期待しすぎていたところもある。

長回しの感じとか、唐突に起こる殺人とか、がらんとした廃墟風の倉庫の見せ方とかいかにも黒沢清らしいのだけど、本作は女性の登場人物が多くて彼の作品にしては珍しいことになっているが、4人ともそれぞれ違った感じで描かれていて、個人的には第三話の安藤サクラがキモくてよかった。

脇の男性キャストが森山未來とか加瀬亮とか考えてみれば豪華キャストなのだが、いかにも人気若手俳優を使いましたという感じでなく、黒沢清の色で染められている感じがした。そして、一つの場面でいろんな顔をみせる香川照之さんはやはりうまいと思った。

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