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ビットコインにいたるデジタル通貨の一般向け歴史解説書の決定版か『Digital Gold』

フレッド・ウィルソンが「失敗したプロジェクトからインスピレーションを得る」話を書いている。最初の試みがうまくいかないとそのアイデアを失敗と片付けがちだが、うまくいったところとうまくいかなかったところをちゃんと切り分け、それから学ぶべき、とのこと。

例として、先日のメイウェザー対パッキャオ戦が多くの人に(少し前に Twitter に買収されたPeriscope 上で視聴された話を挙げている。

ウィルソンは「それってかつての Justin.tv と同じじゃん」と思ったそうだが、Justin.tv は失敗した、というか正確にはピボットにより大きな成功を掴んだのだが、Justin.tv 自体はビジネスとしてはうまくいかなかった。Periscope にしろ必ず成功するわけじゃないが、Justin.tv でうまくいったところとうまくいかなかったところから学べば、うまくいく可能性が高くなる。

その上でウィルソンが紹介しているのは、New York Times のウォールストリート担当記者 Nathaniel Popper が書いた(来週刊行予定の)『Digital Gold』という本である。

Digital Gold: Bitcoin and the Inside Story of the Misfits and Millionaires Trying to Reinvent Money

Digital Gold: Bitcoin and the Inside Story of the Misfits and Millionaires Trying to Reinvent Money

『Digital Gold』では、Bitcoin の開発の話をするのに90年代半ばまでさかのぼり、1997年に Adam Back がデジタル通貨を作る初期の試みとして発明した Hashcash を紹介している。Hashcash 自体 はデジタル通貨としては失敗だったが、後に Bitcoinアルゴリズムが機能する証拠として脚光を浴びることとなる。

Bitcoin を「どこからともなく現れた」画期的な発明と言いたがる人もいるが、実際には Bitcoin は数十年に渡る暗号、ピアツーピアネットワーク、そしてデジタル通貨分野における業績から生まれたということである。つまりは「巨人の肩に立つ」というやつですな。

ウィルソンは、技術系だけでなく、文学であれ、芸術であれ、ほとんどすべての分野でそうなのだと文章を締めているが、『Digital Gold』は、暗号分野におけるサイモン・シン『暗号解読』やスティーブン・レヴィ『暗号化 プライバシーを救った反乱者たち』(asin:4314009071)のような、デジタル通貨を巡るこれまでの歴史を比較的一般寄りの読者に紹介する決定版となるのではないだろうか。

ジョブスの伝記を書いたウォルター・アイザックソンやローレンス・サマーズ(!)が推薦の言葉を寄せているが、これは期待の新刊やね。

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