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最強のふたり

極端に境遇の異なる男二人の話、特に貧しいほうが富めるほうに「リアルさ」や「本当の人生の楽しみ」やらを教えるというありがちな構図の映画である。本作は実話を基にしているが、首から下が動かない富豪フィリップの介護を行うドリス役に黒人があてがわれているのもその構図を引き立たせるものである。

けど、確かにそれが気持ちいいんだからそれでいいのである。こういう話が成立するのもフィリップが手足のように働く人間をドリス以外にも何人も抱えられるくらい金持ちだからであって、実際の身体障害者の――といったケチをつけようと思えばできるのだろうが、それはあまり意味がないんだろう。

フランスらしいなと思うのは、フィリップのほうも余裕たっぷりというか、精神的にガツガツしてないところ。他の国で同じ構図の映画をやるなら、もっと人情噺に倒れたり、心を閉ざした金持ちの「改心」なんかが描かれたりするんじゃないかな。そのあたり一線引かれたクールさを感じた。

ワタシが観たのは民放で放映されたのを録画して観たのだが、少しカットされていたのかドリス役の家族の事情がよく分からなくて、確かに劇中彼が自身それを「複雑なんだ」と語る場面はあるのだが、例のものが戻ってくる過程とか含めてそこがしっくりこなかった。

本作ではアース・ウィンド・アンド・ファイアーの楽曲が使われており、はっきりいってその点においてナウでヤングなフィーリング(笑)に合致するチョイスでないのは明らかだが、ワタシは好きである。

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