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以下、映画の展開についても触れるので、これからご覧になる方はご注意ください。

映画がすべてパソコンの画面上で展開するという本作の話を聞いて、ヘンな映画もあるもんだと思ったが、それが単なるギミックというか奇抜なだけの映画でないという話も聞いて興味を持ち、公開初日に観に行った。

確かにこれは面白い! Windows XP の起動から説明的な台詞なしに主人公家族の歴史を語るオープニングも気が利いているし、ソーシャルメディア時代の闇というか、ネット時代らしい人間関係や承認欲求の問題も描きながら、パソコン上のちょっとしたカーソルや入力の動きやその停滞で主人公の感情を伝える手法もうまい。

はっきりいって、パソコンの画面上ですべて展開するという点は途中から気にならなくなる。もはや、テレビニュースの映像だろうが大抵のものはネット経由で閲覧できてしまうのだ。

姿を消した主人公の娘の身に何が起きたのか? 彼女には父親の知らない顔があったのか? ストーリーとしては必然的にイヤな流れに何度もなりかける。彼女は何のためにどこに向かったのか。親から××××したお金を何に使ったのか。もしかしてドラッグ? まさかこいつと男女関係があるのか? そうした疑念が伏線の回収とともに解消され、真犯人が明らかになる展開は、サスペンス映画として何よりよくできており、緊張感が途切れないし、とにかく後味が良かった。

本作は Sony の映画なのに出てくるパソコンが VAIO でないのは、完成した後に本作を Sony が買ったかららしいが、主人公の家族が韓国系アメリカ人で、だからといって人種問題がまったくストーリーに絡まず、普通にハリウッドメジャーの映画でアジア人が主役をはっているところに時代は変わったのかなとも思う。

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