note に「河口俊彦老師に伺った米長邦雄永世棋聖のこと」を公開した。
なんでメインブログであるこのはてなブログでなく、note に公開したのかというと、読めば分かる通り、この文章には加藤貞顕さんが登場するので、彼に敬意を表してというのがある。また、note にひとつくらい長い文章を公開して、自分のライティングスタイルに合うか試したいという気持ちもあった(今のところ合わない。が、慣れれば変わるかも)。
ただ何よりも、将棋をテーマにしていて、将棋界のことを知らないと基本的に伝わらない、読者層を限定する文章というのが大きい。『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のプロモーションという現在の本ブログを趣旨を鑑みると、それとは別の場所で公開すべきと考えた次第である。
文章の最初を読めば分かる通り、これは今年1月末の公開を目指して書き始めたものである。しかし、公開は一月以上遅れて3月になってしまった。1月後半にワタシがインフルエンザにかかって執筆が滞ったというのがまずあるが、一番大きかったのはそれではない。
やはりこれである。例えばツイッターなどタイムラインも自分の投稿もどうしても新型コロナウィルスに関するものが多くなり、それにヘキエキとしつつ、タイムラインを見ていて怒りが喚起され、そして一人で疲弊する。
とにかくそれから離れた文章を書きたい気持ちがあった。別に誰に頼まれたわけでもない、お金をもらえるわけでもない文章をなんとしてでも書きあげなければならないと思ったわけである。
河口俊彦老師から伺った話をまとめるというのはずっと頭にあったが、現役の棋士にご迷惑をかけてはいけないというのもあり、なかなか手をつけられなかった。が、話の中心を故人にすることで、それを避けることができるのに思い当たった。そうなるとその対象は、ワタシの場合、おのずと米長邦雄になる。
たとえて言うと、「テリー・レノックスの側から書いた『長いお別れ』」というアイデアがあり、それが結果的に『もうすぐ絶滅するという開かれたウェブについて 続・情報共有の未来』のボーナストラック「グッドバイ・ルック」に部分的になったようなもので、ずっと書きたいと思いながら果たせてなかった米長邦雄についての文章を、老師からうかがった話を中心にすることで、元々書きたかった文章の三割くらいは形にできたのではないか。

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われ敗れたり - コンピュータ棋戦のすべてを語る (中公文庫)
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