このニュースは日本ではそんなに話題になっていないようだが、記事にもあるようにこれは「大事件」と言ってよいだろう。
なぜならオープン教育リソース(OER)は無料だからだ。しかも無料なだけでなくオープンソースであるため、ライセンスや許可なしに定期的に更新や改訂することができる。OER書籍やその他の教材は新しいものではない。教育資源を無償化するという考えは以前から存在している。実際、OpenStax自身には、すでに57冊の無料の教科書があり、年間600万人以上の学生に利用されている。
ベストセラー教科書の無料化・オープンソース化が教育出版を変える | Forbes JAPAN(フォーブス ジャパン)
OER という言葉は以前からあり、ワタシも今から10年以上前に「オープンエデュケーションとその持続可能性」という文章を書き、オープンコースウェアなどの OER や、DRM フリーで無料のデジタル教科書の提供を謳うスタートアップを紹介している。
しかし、そのスタートアップの試みは挫折している。
そうした意味で、アメリカにおいて高騰化がいわれる教科書を無料でオープンなライセンス(調べてみたら CC BY-NC-SA みたい)で提供するというチャレンジを引き継いだ OpenStax という企業には、すごいねぇと思ってしまう。
「オープンエデュケーションとその持続可能性」でも書いたように、こうした試みを一種の「狂気」抜きに持続していくのは大変なことであり、日本でも少し前に京都大学OCWの閉鎖、運営組織廃止のニュースを見ても明らかなわけで。