およそ一年前に艾未未(アイ・ウェイウェイ)の新刊を取り上げたのだが、12月に『千年の歓喜と悲哀 アイ・ウェイウェイ自伝』として邦訳が出るのを知る。
迅速な邦訳刊行は喜ばしいが、そういえばアイ・ウェイウェイは今年の高松宮殿下記念世界文化賞を受賞していたんだった。
アイ・ウェイウェイに関する記事では、これも少し前に話題になった。この記事で語られる彼並びにその父親が受けた過酷な扱いは、『千年の歓喜と悲哀』に存分に記されている。
この記事でも語るように彼は「根っからの反体制派」だが、その姿勢は中国政府以外に対しても変わらない。
──とくに米国がそうだったと思うのですが、西洋諸国の中国に対する見方がおめでたかったのではないでしょうか。
おめでたかったというよりも、血の臭いに引き寄せられる怪物のように、資本主義の本性をむき出しにしていました。資本主義は決して品のいいものではありません。申し訳ありませんが、これは客観的な事実です。
欧米人は、寛大さとおめでたさをしばしば混同します。しかしここでは、それはまったく関係ありません。なぜなら欧米人がつねに狙っていたのは利益を得ること、お金を稼ぐことだったからです。
アイ・ウェイウェイ「西洋における人権の概念も、偽善的なところがある」 | 国を超えた普遍的価値が必要だ | クーリエ・ジャポン