ジョナサン・ハイトとグレッグ・ルキアノフの共著『The Coddling of the American Mind』を取り上げたのは2021年はじめで、なにしろ翻訳会社のオーディション課題になっていたので、テキパキと訳者が決まって翻訳作業が本格化し、その年の後半には邦訳が出るだろうと書いたものである。
しかし、取り上げてからも2年近くが経ってしまった。ふと思い出して調べてみたら、今月末に『傷つきやすいアメリカの大学生たち: 大学と若者をダメにする「善意」と「誤った信念」の正体』の邦題で出るのを知った。
ジョナサン・ハイトと言えば、今年 The Atlantic に寄稿した Why the Past 10 Years of American Life Have Been Uniquely Stupid(日本語訳、解説)も話題になったね。
『傷つきやすいアメリカの大学生たち』は、少し前に話題になったノア・スミス「エリート過剰生産仮説」やレイトン・ウッドハウス「ザ・ルンペンブルジョワジー」あたりとも接続できるかも、とか書くと怒られるだろうか。
ただ、ベンジャミン・クリッツァーさんのツイートを見ると、今年日本で「反ポリコレ本」がいくつも翻訳されており、『傷つきやすいアメリカの大学生たち』もその一つに位置づけられるらしい。
どこかの雑誌やメディアで、2022年に邦訳が出版されたアメリカの「反ポリコレ本」のまとめ的な評論を書かせていただきたいなあ…と思っております。
— B・クリッツァー:『21世紀の道徳』発売中 (@BenjaminKritzer) November 10, 2022
・『大衆の狂気』
・『ガリレオの中指』
・『「社会正義」はいつも正しい』
・『傷つきやすいアメリカの大学生たち』