マット・デイモンとベン・アフレックのコンビによる映画だが、監督としてのベン・アフレックに対しては、『アルゴ』や『ザ・タウン』の過去があって、彼の娯楽映画を作る手腕について信頼があるのだが、本作も面白かったですね。
ジェイソン・ベイトマンや久方ぶりのクリス・タッカーといったワタシの好きな役者が出ていたのが嬉しかった。
本作は1984年が舞台となり、ダイアー・ストレイツの "Money for Nothing" をバックに(もちろん政治的に正しくない歌詞は流れません)、いかにも80年代な映像がバンバン流れるオープニングに始まり、80年代のヒット曲がふんだんに使われるが、ジェイソン・ベイトマン演じるマーケティング部門の VP が、当時の大ヒット曲であるブルース・スプリングスティーンの "Born in the U.S.A." の歌詞の話をする後にグッと話が締まるのが良かった。
本作はナイキがマイケル・ジョーダンとの契約にこぎつけるまでの実話をもとにした映画だが、2023年の我々から見れば、どうなるというのは分かりきっているわけで、そうした意味で必然的に主人公を応援する気持ちになるのだが、勝負の場で主人公が畳み込む言葉がそれまで見越しており、それに(この映画の時間軸からすれば)未来の映像がかぶさるのには好き嫌いが分かれるかもしれない。ワタシは Netflix の『マイケル・ジョーダン: ラストダンス』を観ていたのもあり熱くなったが、しかし、あの重要なプレゼンに用意したビデオが(BGM がダン・ハートマンなのは文句ないが)あんな感じだったというのは実話なんだろうか。