カーンアカデミーの創業者にして CEO であるサルマン・カーンのインタビューである。「知の民主化」としてのオンライン教育の代表選手として、このブログでもカーンアカデミー並びにサルマン・カーンのことは何度も取り上げたが、それは10年以上前の話である。
失礼ながらお懐かしやという感じで読み始めたのだが、「世界中のどこにいる誰にでも無料で最高水準の教育を提供する」というミッションを掲げ、150以上の言語に対応し、登録ユーザーは1億8000万人以上というのだからすごいねぇ。
彼がこのインタビューでも語るのは、やはり AI である。教育分野への AI の影響についてはいろいろ言われるが、カーンは ChatGPT 登場以前から OpenAI と NDA を結んで実験を開始しており、その実験から AI チューター Khanmigo が生まれたという。
さすがの動きの早さというべきか、カーンは AI の問題も認めながら、AI を教育の「天井」と「床」を引き上げる存在と見ており、単に AI を導入して終わりではなく、教育を革新していく共創の相手としてみているようだ。
調べてみたら、カーンはまさに「AI×教育」をテーマとする本を出していた。当時話題になっていたはずだが、見事に逃してしまっていた……と更に調べたら、その邦訳『AIは私たちの学び方をどう変えるのか ―BRAVE NEW WORDS―』が先月出てたんだね!
彼が本を出すのは『世界はひとつの教室』以来10年以上ぶりなのだから、よほど AI に触発されるものがあったのだろう。
邦訳にも入っている "Brave New Words" が原題なのだが、これはもちろんオルダス・ハクスレー『すばらしい新世界(Brave New World)』のもじりで、ディストピア小説のタイトルを使うのはどうだろうとも思ってしまうが、Verge のインタビューでも "brave" という単語をカーンは何度も使っており、飽くまで前向きな意味合いなのである。
原書のレビューはバーンズ・アンド・ノーブルで朝食をやエミコヤマさんの読書記録を参照くだされ。


