マンハッタンで開かれた WikiConference North America 2025 の基調講演中に、銃で武装して壇上に乱入した男をボランティア編集者二人が取り押さえるという事件が起きている。
この武装した男はウィキペディアのポリシーの抗議して壇上で自殺すると宣言したそうで、参加者に被害がなくて本当に良かった。
ウィキペディアに対して、トランプ政権やイーロン・マスクが攻撃姿勢を強めている。ウィキメディア財団が今月、ウィキペディアに対する疑問に答えるブログ投稿をしているのは、そのあたりに応えるものだろう。今回の犯行は、そのあたりに煽られた人間によるものではないかとどうしても疑われる。
ウィキペディアといえば、その記事を学習した生成 AI チャットボットや、その内容を要約して表示する検索エンジンによる 閲覧者数の減少が話題となっている。
これは単に人間のサイト訪問者数が減るだけでなく、ボットやクローラーの過度のアクセスへの技術的な対応が必要となり、それに付随する負荷の不均衡とそのために生じる摩擦について、ワタシも今月「AIスクレイパーボットへの対策と開かれたウェブのジレンマ」に力を尽くして書いたばかりである。
ウィキメディア財団は、(Googleからウェブサイトへのトラフィックがゼロになる日という表現は極端としても)ウェキペディアを訪問する人が減ることで、そのコンテンツを成長させるボランティアや活動を支援する個人寄付者も減ることを危惧している。
しかし、今回のような暴力沙汰(未遂)は、それ以上に直接的な危険であり、ボランティアや支援者の減少につながらないとも限らない。ウィキメディア財団の関係者ではなく、ただの個人寄付者であるワタシにとってもとても腹立たしい話だ。ワタシはこれからもウィキメディア財団に寄付を続けることを明言しておく。
