OpenAI を巡るイーロン・マスク対サム・アルトマンの裁判は、両者の激しい応酬が注目を集めたが、提訴が遅すぎたと陪審員団に判断され、マスクの敗北という拍子抜けな結果に終わった。
The Verge のポッドキャスト Decoder で Nilay Patel が、この裁判を取材した Liz Lopatto と裁判について振り返っている。
上記の通り、結果は拍子抜けで、裁判自体「空騒ぎ(Much ado about nothing)」であり、ほとんどの関係者が敗者という感じである。
具体的にはイーロン・マスクは、サム・アルトマンを罰したい、OpenAI の事業を妨害したいという個人的な復讐心があらわだったし、サム・アルトマンも多くの証人がその嘘つきぶりを語り、部下に正しい情報を与えずに部下同士を競わせて自分の支配力を保つ権力手法が明らかになった。
この裁判では、2023年に一時サム・アルトマンが解任され、その後復帰する騒動の話も詳しく証言されたが、ミラ・ムラティはこの解任の動きに関与してたくせにアルトマンに良い顔してその復帰にも手を貸すという日和見主義ぶりが明らかになったし、ヘレン・トナーも当初は信頼できる証人に見られたが、Anthropic との関係や OpenAI 売却話への関与といった話が出てきて、誰もきれいに見えない感じだったとな。
その中で唯一「大人」だったのがマイクロソフトで、一貫して冷静で、実務的で、裁判においても落ち着いて見えたと相対的に評価を高めている。「子供の頃から AI を夢見ていた」みたいな SF 的夢想を語る AI 業界のリーダーたちを見てると、マイクロソフトや Google みたいな、ある意味官僚的な大企業のブレーキがあるほうがマシに見えたようだ。
結果 AI 業界のトップ層は、その狭い人間関係(このインタビューでも、OpenAI と Tesla を行き来したアンドレイ・カーパシーが Anthropic に入社したことが触れられている)と未熟さを露呈し、こいつらに AI というテクノロジーを任せておいてよいのかという点で信頼を損ねたと両人は見ているようだ。
