これはちょっと面白い組み合わせなので取り上げておきたい。
ローリー・アンダーソンがジャズバンドの Sexmob と共演した2023年~2024年のツアーを収録した最新ライブ盤『Let X=X』の "Story to No One" で、ブルース・シュナイアーの言葉を引用しているというのだ。
私が好きな言葉は、ある暗号学者の「もしあなたがテクノロジーが問題を解決してくれると考えているなら、あなたはテクノロジーを分かっていないし、問題も分かっていない」だ。
この言葉は、元々ロジャー・ニーダムの「もしあなたが暗号が問題を解決してくれると考えているなら、あなたは問題を分かっていないし、暗号も分かっていない」に由来するが、それをシュナイアーは『暗号の秘密とウソ』の序文で、以下のように言い換えている(手元に『暗号の秘密とウソ』がないので、それからの正確な引用ではない)。
数年前に聞いた引用を言い換えて、以下のように言いたいと思う。「あなたがテクノロジーがセキュリティの問題を解決できると考えているなら、あなたは問題を分かっていないし、テクノロジーも分かっていない」
なんでここでちゃんとロジャー・ニーダムの名前を出さなかったのだとシュナイアーは悔いているようだが、ともかくローリー・アンダーソンの引用は厳密には正確ではない。が、実はシュナイアーはいつの間にかアンダーソンの引用に寄せる(「セキュリティの」を省いた)形でこの言葉を講演などで使ってきたという。
そして、このロジャー・ニーダムの言葉とされるものについても、そのオリジンについては諸説あることをシュナイアーは追記しているが、少なくとも自分ではないと明記している。


