新田享子氏の投稿で知ったのだが、1990年代から現在までテクノロジー企業を追い続けてきた名物記者であるカーラ・スウィッシャーの『Burn Book: A Tech Love Story』の邦訳が『世界を壊したビッグテックの悪党ども テック業界“ぼぼ”全史の取材録』としてもうすぐ出る。
カーラ・スウィッシャーというと、『AOL: 超巨大ネット・ビジネスの全貌』(asin:4152082690)の邦訳はあるが、それは大昔の話で、日本での知名度は低いと思う。
上に書いたように彼女はベテランのテック系記者で、『the four GAFA 四騎士が創り変えた世界』(asin:4492503021)などの著書で知られるスコット・ギャロウェイとやっているポッドキャスト Pivot で高額の契約を勝ちとった成功者なんですね。
ただそういうインサイダーとしての彼女には批判もあり、辛口テック批評で知られるエド・ジトロンは、「ロックスターとは友達になれない」で、彼女のロックスター(テック界の大物)との距離感を問題にしている。
本当の問題児は言うまでもなく、カーラ・スウィッシャーのような人だ。彼女は何よりもロックスターと友達になりたいと切望し、見事にそれを実現した。スウィッシャーの書籍プロモーションツアーでは、サム・アルトマンやリード・ホフマンにインタビューされている――恥ずべき腐敗が露呈しており、あまりに露骨で吐き気を催すもので、業界全体が彼女の功績を糾弾すべきだったはずなのに、現実には「本、良かったですよ」と言う数人以外は、概ね沈黙だった。
つまりは、スウィッシャーはテック界の取材対象に近すぎて、彼らと友好的な関係を保つために手加減するリスクが常にあるということである。
まぁ、そうなのだけど、その彼女が書いた本がこの『世界を壊したビッグテックの悪党ども』なわけで、ロックスターへの批判が十分かはこの本を読んで判断すればよい。エミコヤマさんの原書の読書記録も参考まで。

