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おたくカルチャーは一度足元を見直すべきときなのか

森田創(omo)さんが翻訳されているのに今頃気付いた。原文O'Reilly Radar 経由で知った。原文を書いたのは以下の本の著者か。

Big Data Glossary: A Guide to the New Generation of Data Tools

Big Data Glossary: A Guide to the New Generation of Data Tools

  • 作者:Warden, Pete
  • 発売日: 2011/09/25
  • メディア: ペーパーバック

Data Source Handbook: A Guide to Public Data

Data Source Handbook: A Guide to Public Data

  • 作者:Warden, Pete
  • 発売日: 2011/03/10
  • メディア: ペーパーバック

実は「邪悪なものが勝利する世界において」の次にはこの文章を取り上げようかなとぼんやりと考えていたのだが、先を越されてしまった。これを書いたときにこの翻訳を知っていれば参照しただろうな。両方とも GamerGate 騒動への言及があり、微妙なつながりがあると思うのだ。

少し前に加野瀬未友さん(id:kanose)が「いつまでも反抗者気分」という文章を書いているが、これにも通じる話である。

この文章で書かれる話は当然ながらアメリカの話だけど、確かに今や一番勢いがある映画スタジオはマーベル・スタジオズだし、テレビではゲーム・オブ・スローンズが大ヒットし、おたくカルチャーはもはや反乱軍ではなく主流派といってよい。それなのに被害者意識をむき出しにして攻撃的になる態度は、女性や次世代の子供たちを取り込むのに失敗しているではないかというわけだ。

ただ、シリコンバレーのようなコンピュータおたく達の勝利の象徴はない日本のおたく文化についても同じことが言えるかは異論があろう。

翻訳者の omo さんは以下のようにコメントしている。

勇み足の部分は、原著者もこの文章を O'Reilly Radar に再投稿したとき、少しタイトルをマイルドにした理由なのかなと思う。

ローレンス・レッシグがエドワード・スノーデンをインタビュー

Slashdot で知ったが、ローレンス・レッシグエドワード・スノーデンをインタビューした約1時間の動画が公開されている。

これはレッシグの本拠地でありハーバード・ロースクールで行われたもので(もちろんスノーデンはロシアにいるのだが)、これから弁護士や裁判官になる学生たちがスノーデンの話を聞いたことになるわけだ。

よって話はなかなか専門的で、ちょっとワタシにはついていけないのだが、スノーデンの顔から精気を感じる。元気そうで何よりである。

暴露―スノーデンが私に託したファイル―

暴露―スノーデンが私に託したファイル―

スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実

スノーデンファイル 地球上で最も追われている男の真実

ケヴィン・ケリー来日&『テクニウム』刊行記念イベント

先ごろケヴィン・ケリーが来日したが、ワタシは田舎暮らしの悲しさで行くことができなかった。そのあたり堺屋七左衛門さんの雑感の最後にも共通する寂しさを感じるが、ともかくいくつかイベントレポートが出たが、これが一番分かりやすいだろう。

テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?

テクニウム――テクノロジーはどこへ向かうのか?

そうそう、今回の来日の影響か『ケヴィン・ケリー著作選集 1』の紙版も少し動いていると聞いて、これの序文を書いたワタシ的にも嬉しいことである(参考:『ケヴィン・ケリー著作選集』電子書籍化の意義)。

ケヴィン・ケリー著作選集 1

ケヴィン・ケリー著作選集 1

ニュースの天才

ニュースの天才 [DVD]

ニュースの天才 [DVD]

テレビの深夜放送でやっていたのを録画していた。

雑誌 New Republic の記者スティーブン・グラスが起こした捏造記事事件を題材としている。

今観ると主人公のスティーブン・グラスが、あー、こういう人がそうなんだねぇ、と速水健朗さんがよく語る虚言癖の人の特徴を備えているのが分かる。

つまり、とても仕事熱心で、同時に同僚たちには気が利き、上司に取り入るのがうまい感じの良い人物なんですな。

その彼が書いた少年ハッカーが大手ソフトウェア会社から大金をせしめた記事を書いたことで、さすがにフォーブスのデジタル版の記者がおかしさに気付くのだが、使用する検索エンジンYahoo! なのに時代を感じる(1998年なので、Google がサービスを開始した年だ)。

New Republic はホワイトハウスが定期購読している唯一の雑誌というステータスが劇中何度も強調されるし、その権威に見合う厳しい編集体制を備えているのだが、しかし、それでも記者のノートしか情報源がない場合はそれを回避できる抜け穴をスティーブン・グラスは突いたわけだが、数年間で数十の捏造記事を書いてバレなかったのだからすごいものだ。

ところで、情報源としてのノートすらまともに残していない似非研究者や、編集体制の抜け穴どころか存在自体が底抜けなこれまた似非ジャーナリストが未だのうのうと生き残っているところもあって、それを考えるとイヤになる。

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