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殺人は小説よりも映画よりも残酷なり……

心にナイフをしのばせて

心にナイフをしのばせて

森山和道さんが紹介していて知った本だが、今からおよそ30年前に起きた「酒鬼薔薇事件」に似た事件の「その後」を取材したルポルタージュである。

被害者側の家族は、事件の後まさに生き地獄を味わうこととなったが、加害者の少年は少年法に護られ、後に弁護士(!)になった。

この加害者の少年の話自体は、以前読冊日記を読んで知っていたが、この本によると、加害者はこれまでまったく慰謝料の支払いや謝罪を行っておらず、その気すらまったくない(!!)という認識らしい。

信じがたいことで、呆れるというか腹が立つというか、悲惨すぎて言葉が見つからない……

未成年による殺人事件の話では、ポーリン・パーカーとジュリエット・ヒュームの後日談にも驚かされた。

 1994年、同郷の異才ピーター・ジャクソンが本件を映画化した。『乙女の祈り』がそれだ。作品的にも素晴らしかったが、それ以上の驚きを我々に齎した。なんと英国の人気ミステリー作家アン・ペリーがジュリエット・ヒュームその人であることが発覚したのである。やはり小説家の道を歩んでいたのだ。当人は意外に冷静で、
「隠すことが何もなくなってしまったので、これからはありのままの自分で生きていけます」。
 などと語っていたという。

乙女の祈り [DVD]

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