昨年秋に紹介したマイケル・ルイスの新刊だが、一年足らずで邦訳が出る。さすがベストセラー作家!
暗号資産取引所 FTX の創業者であるサム・バンクマン=フリードが新作の主人公だが、先月彼に禁固25年の判決を下された。
マイケル・ルイスも本書でサム・バンクマン=フリードについて好意的に書いている部分が批判されていたと思うが、彼もまさか自分の取材対象が7つの罪で有罪くらうとは思わなかっただろうし、『Bad Blood』のような本とは成立過程が違うわけで。
クリス・ディクソンは、クリプト界隈を「暗号資産カジノ」とそうでない人達に線引きして「ブロックチェーンにいま一度チャンスを」と訴えるわけですが、米国政府が「史上最大の金融詐欺のひとつ」と表現した犯罪の裁判がばんばん報道されるなど、一般に目立つのほうは「カジノ」のほうの方々ばかりなのだから、まぁ、なかなか難しいと思います。
「暗号資産カジノ」のせいで、サム・バンクマン=フリードが推していた効果的利他主義とやらも一緒に評判だださがりな感があるが、そのあたりの評価はこれから妥当なところに落ち着くのでしょう。